2 席替えした結果、超能力の効果範囲内に雪宮が来たんだが!?
RHマイナス……AB型のRHマイナスって言ったか!?
お、俺と同じじゃねえか……こんな偶然ある?
たしかAB型のRHマイナスって2000人だとか3000人に一人の割合だぞ!?
……という事はだ。
俺雪宮さんの心読めるじゃんッッッ!
あの無口無表情で、いまいち何を考えているか分からない雪宮さんが、何を考えているのかを正確に知れる……ッ!
つまり雪宮さんが俺の事をどう思っているかだって知ることが…………いや、それは無理か。
雪宮さんは俺の事なんて考えていないだろうから。
それを知ろうと思うなら、単刀直入に「俺の事、どう思ってますか」とか聞かないと。
……いや、そんな事聞けるくらいなら頑張って距離縮める努力してますけどね。
……そもそも。
相手が雪宮さんだからこそ、安易に心なんて覗いちゃいけないと思う。
雪宮さんの事を知りたいと思う気持ちと同じくらいには、そのプライバシーが守られるべきだと思うから。
だから……まあ、俺の事意外にも雪宮さんの事は知りたいけれど……自制はしていこうと思う。
しなくちゃいけないと思うんだ。
……いや、思ってはいるんですけどね。
「……よろしく」
「よ、よろしく」
休み時間が空けて次の授業にて、席替えが勃発。
結果、雪宮さんと隣の席である。
学校にいる間、ほぼ一日中雪宮さんと半径2メートル以内である!
……分かってる。分かってるんだ。
自制はしないといけない。
気軽に人のプライバシーを侵害して心に踏みいってはならない。
それは分かっている……だけど。
今の社交辞令のようなよろしくの裏側を知りたくて仕方がない?
本当にそう思ってくれているのか。
内心俺の隣である事に対し落胆しているんじゃないか。
そんな考えが、おそらく席替え直後の今なら答えを知れそうという事も相まって脳内を延々とぐるぐる回っている。
俺は一体……雪宮さんにどう思われているのか。
……結果、つい魔が差した。
駄目だと分かっていても、つい超能力を使ってしまったんだ。
そして、脳裏に流れ込んでくる。
『っしゃああああああああああッ! 榊君の隣だあああああッ! いぃぃぃぃぃぃやっふううううううううううッ!』
「……ッ!?」
そんなあり得ない位ハイテンションな心の声が。
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