出会い

-王都エデンハークより、北東、西へ500キロ。大海おおうみの都ハイエンド-


そこは、人の出入りを強く拒む大海おおうみに、あたりを囲まれた街ハイエンド。またの名を鍛冶の街ハイエンド。


その街ハイエンドからさらに、南、海沿いゴミすて山にうもれるようにそびえ立つ褐色の社。


カン!カン!カン!


その社の中から、小気味のいい音が2つ。


「おい、オースリー、その手を離すなよ……いいな絶対にはなすなよ……」


顎が串団子のように三つにわれた男は、二の腕をこれまた団子のように、膨らませ、巨大なイカズチという名の巨大な金槌をふりおろす。


「ぎゃっ!」


職人とは、程遠い、ほぼ全裸の上半身ボンレスハムのような、体型の男は、5才児のような、イタズラな声をだす。


顎が串団子のように、三ツ割れた男は、それを、聞いても、お構い無し、再び巨大な金槌を振り下ろす。


「親方ビビりのオースリーじゃまだ無理だって」


髪型きっちり七三に分けたその男は、実にきっちりとキレイに、ハンマーを振り下ろす。


「ジャスビスお前は、黙ってろ」


オースリーは、唾を飛ばし、猪のように、吠えた。


「はいそこまでそこまで」


恰幅のいいおばあちゃんが社の中へと入ってくる。彼女は、アンジェラ・モス。モスは、両手に、抱えきれないほどの食べ物をもち中へと入ってきた。


「はいはいジャスビスもオースリーも食べる物食べてケンカさがは、それからそれから」


モスは、無造作に、乱雑に、物が置かれたテーブルをまさしく凪ぎ払うように、物を凪ぎ払い抱えてきた大量の食料をテーブルに、ぶちまけた。


「さぁ食った食った」


3人は、振り下ろすハンマーをいったん止め、今度は、止まることなく、アンジェラが用意した、大っ量の食料にむさぼりついた。


「いやだってよアンジェラさん……いやそれより親方!おれにもそろそろハンマーふらしてくださいよ!おれだってここにきてもう6年だ!16だ!」


オースリーは、口に、ものをいっぱい、膨らませ、まくしたてるように、いった。


「オレは、16の時には、もうふっていたがなぁ」


ジャスビスは、嫌味たらしくそう言った。


「うっせぇ!七三へんな髪型は、黙ってろ!?」


オースリーは、また、まくしたてるように、いった。


「しっかしアンジェラこのチーズパイ、めちゃくちゃうめぇなぁ」


親方は、そんなふたりに、目もくれずに、大きな大きなチーズパイに、がむしゃらにくらいついていた。そんなおり……


「ごめんくださ~い」


その長髪の男は、あきらかに、この国のものでは、ない異国のという羽織を見にまとい静かに中へと入ってきた……


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