窮鼠猫を噛む

いつもの癖で切り抜き動画を作る時に水饅頭さんのメールを見てしまう。


 


「あれ、メール来ている。しかも水饅頭さんじゃん。」


「しかも、30秒前って新着ほやほやだね。」


 


 


FROM 水饅頭


件名:介護の件の切り抜き作りました。


 


最初に謝らないといけないことがあります。


あのコメントは確かに怪しい感じがあり、アリア様はスルーしていましたが。


我々、視聴者は軽い気持ちで動画の視聴を勧めました。


こんな悪意しかない動画を作られるとは思いませんでした。


軽率な行動をとってしまってすみません。


 


僕はこの炎上でネガティブなイメージを付けたら不利益だと思いました。


だから、早急に切り抜きを作る必要があると思い、クソゲーマニアさんと野田係長補佐の紋次郎さんに協力してもらって作っております。


 


切り抜き動画、大まかな流れを作ったのは私です。


炎上の流れのテキスト、アリア様のセリフのテキスト化:クソゲーマニアさん


ゆっくりパート、サムネ:野田係長補佐の紋次郎さん


 


動画及びサムネを贈呈しますので、すぐに上げてください。


動画チェックは3人でやっています。


 


 


「水饅頭さん、マジで感謝なんですけど。」


病んでしまっていた魂である私は、今日初めての人の優しさに触れてしまい、目がウルウルしている。


 


「あんた、動画はそのまま上げてくれない。


動画上げている時に、水饅頭にある許可を貰ってくれない。


あんたではできない、誤報の解き方をするわ。かなり強引でリスクは高いけど。


私なら、すべての誤解を消せるわ。落とし前は私がつけてもらっていいかな。」


今回の件はアリアちゃんとしても自分が不用意に変なコメントを拾ってしまったことで起こってしまったと思っているみたいだ。


この放送で関わっている人は誰も悪くないのに。


自ら責任を持っている。


これは、皇女としてのプライドだろう。


こういう目は嫌いじゃない。むしろ、好きだ。


 


「いいよ。私はなにをすればいいの?」


動画をあげながら私は聞いた。


 


「単純よ。それはね・・・」


アリアちゃんは、自分のやりたいことを話し始めた。


 


これは、正直面白いと思ってしまった。


アリアちゃんは弱者である私の気持ちを理解してくれているから。


いや、人間の心のどこかではルサンチマン的な思考を求めている。


その心を刺激するのか。


 


「なるほどね。相手の切り返し方次第ではこちらの負けになる可能性があるよ。」


現実的な思考の持ち主の私は思わず否定はしているが。


心のどこかではそれを求めている。


 


 


「それは完全に否定できないわ。


でもね。本当に勝っていると思い込んでいる強者はね。


弱者の急な反撃に反応が遅れる物よ。


窮鼠猫を噛むってあるでしょう。だから、大丈夫よ」


これは強者だと思い込んでいたアリアちゃんだからこそ分かる心理であろう。


 


「それにしても、視聴者の絆がネット上で認められたいわ


私は、性格最悪なのに。あんたとかさ。視聴者が追いかけてくれているじゃん


世間知らずのただの傲慢なおじょうさまでしかないのにね。


私は配信の需要として、そのままの自分をやっているわけだしさ」


アリアは自分の勝利を望まず。


視聴者との絆を選んでいる。


彼女はそれに助かっていることに感謝しているのだろう。


感情表現が下手くそだ。


でも、私も好きだし。みんなもそこが好きだ。


 


「うふふ。なるほどね」


魂である私はいろいろと理解しているせいか。


笑い方が大人びいている。


アリアちゃんからすれば、少し癇に障るだろう


 


「何よ?何か問題でも?」


少し困惑しているアリアは、じっと私を見始めた。


やはり、不機嫌みたいだ。かわいい。


 


「何でもないわ。それより動画上がっているみたいね。確認も取れたし。


いよいよ行きますか。」


 


 


 


第3皇女~スタンフォード・アリア~@Aria₋Stanford


:返信先@V₋Enjo.ch


偏向切り抜きを第3皇女~スタンフォード・アリア~は許さないし、えん罪であることを証明するわ。


水饅頭、クソゲーマニア、野田係長補佐の紋次郎と下僕どもが作った最高の動画よ。


私たちは認め合っているわ。


あんたのゲスの切り抜き動画の何倍も魂が籠っているの。


だから、あんたのゲスな行動も筒抜けよ。


 


https://www.youtube.com/watch?v=THfwZgJmscDLdV


 


♲     ❤


 


このツイートをアリアちゃんの指示のもと行おうとしている。


私は謝罪のツイートを行うつもりだったが・・・


アリアちゃんが選んだのは、宣戦布告である。


私たちは闘うことを選んだ。


 


私とアリアちゃんには勝機とかは理屈ではもちろん持っていない。


ただ、相手は弱者をいじめるためのクソ野郎だ。


弱者の急な反撃に反応が遅れる物で、思わぬカウンターパンチは急所にはいる。


これは、傲慢で強者であり続けていけようとしていたアリアちゃんの心情だ。


 


 


 


 


窮鼠猫を噛むという言葉も実際あるし、なんとかなるさ。


ちなみに、私も弱者がかみついて、強者を倒す成り上がり物は好きだ。


弱者である私は。特に。


 


 


今日は疲れたし。今日は奮発しないとやってられないわw

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