アリアちゃんは応募の結果より大切な物を得られたと錯覚してしまった。

炎柱のシャルの声に似ているとアラサーであろう視聴者に意見を貰う。


 


「炎柱のシャルの声真似してみようかな。


まずは、うるさい。うるさい。をやるわ。」


アリアは炎柱のシャルを知らないため、YOUTUBEで炎柱のシャルの動画を検索し炎柱のシャルの動画を見ている。


 


水饅頭:炎柱のシャルの名言ってうるさいくらいですかね。


たくわん:シャルは懐かしいわ。


にゃんにゃん丸:釘木さんの声は神だからね。


 


うるさい。うるさい。うるさいのシーンを見て、シャルの声質や演技を把握したアリア。


 


「よっし。分かった。やってみるわ。」


アリアは気合を入れて、声を整えていた。


 


水饅頭:うるさい、うるさい、うるさいが楽しみです。


たくわん:本気のうるさいが聞ける。


ドラゴン先輩:楽しみです。


 


「うるさい。うるさい。うるさい。」


アリアは先ほど見た映像を思い出しながら、声真似をしてみた。


 


水饅頭:釘木さんですね。すばらしいです。


にゃんにゃん丸:本家じゃん凄い。


ドラゴン先輩:すごいです。釘木さんの声真似をすこし掘り下げてみよう。


 


2年間釘木さんの声真似で生配信をやっていたおかげもあり、アリアちゃんの評価も爆上がりで助かった。


 


「釘木さんっていう人の声真似していこうか。」


アリアちゃんもうれしそうで、つぎつぎと声真似をしていきたいみたいだ。


 


 


水饅頭:未来―ミク―のタコちゃんやってください。


にゃんにゃん丸:あの漫画で麻雀始めたんだよね。


ドラゴン先輩:同じだわ。けっこう、未来で麻雀始める人多いよね。


 


未来―ミク―は美少女麻雀漫画で、登場人物たちが全員百合という素晴らしい作品である。


この漫画がアニメ化された時は主人公のミクが嶺上開花を多発するため、ネット麻雀はカンで溢れていた。


ちなみに魂の私も未来―ミク―で麻雀をある程度覚えている。


暇なときは、ネット麻雀と時々行うくらいは好きだ。


 


「そのキャラはわからないから、ググるね。」


10年前のアニメを知らないアリアはアニメの動画を探していた。


 


魂である私としては炎柱のシャルも未来―ミク―も履修してほしい作品であるため、


この声真似配信は終わったら、一緒に見たいと思った。


 


アニメの切り抜きは、夏希という東風の速攻が強いおてんば娘が主人公のミクに挑戦している場面だ。


このキャラクターは口癖が強く、最後にだじぇ~ということが多い。


 


「このおてんばのキャラクターは、さっきのシャルと同じなの?


釘木さんって、演技の幅が広くてすごいね。」


アリアは、釘木さんの演技に感動している。


 


水饅頭:私をアニオタに堕とした素晴らしい声優です。


たくわん:この人は20年間アニメ業界を支えている神声優だよ。


野田係長補佐の紋次郎:ここは30歳を超えている人多そうだわw


 


「ちょっとまってね。声を整えさせてね。」


アリアは、小声で夏希のセリフを練習している。


 


水饅頭:アリア様のおてんば娘の演技が聞けるとは楽しみです。


たくわん:アリアは、こういう演技も触れておいた方がいいよ。


にゃんにゃん丸:おてんば娘はかわいいよね。あと中学100年生もやってよ。


 


 


覚悟は決めたアリアはようやく口を開いた。


「東風は、ナツの得意分野だじぇ~。」


 


水饅頭:タコちゃんですね。すばらしいです。


にゃんにゃん丸:うまいわ。


ドラゴン先輩:本家やんけ。


野田係長補佐の紋次郎:アラサーだからチャンネル登録したよ。


 


こうやって、リスナーたちと声真似合戦をしながら、楽しく配信を過ごしていた。


アラサー世代は歓喜するような配信内容で、若い人はおそらくアリアちゃんみたいについていけないのだろう。


 


アリアちゃんもアニメを履修してくれると言ってくれてうれしかった。


 


―――――


魂の私は応募用の音声データをまとめており、応募先にメールを送ろうとしている。


ただ、魂の私は落ちてしまうと結果は理解している・・・


アリアちゃんが全力で視聴者と楽しんで取り上げた音声データであり、落ちたとしても意味はある経験だと自負している。


 


アリアちゃんにこういう企画の応募は、遊びでは通用しないことを理解してくれればいいし。


すぐに別の所に去るような視聴者よりも今を大切にしてくれる視聴者を大切にしていると、大きな結果につながると思っている。


 


 


アリアちゃんは応募の結果より大切な物を得られたと錯覚してしまった。

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