あんたら、バカね。卑怯だわ。むしろ怒りなさいよ
あんたら、バカね。卑怯だわ。むしろ怒りなさいよ
魂である私は声真似オーディションの結果を見に行っていた。
オーディションの結果は、”やはり”アリアちゃんの名前はどこにもないのだ。
・・・私はショックな気持ちなんてまったくなかった。
理由としては10年前のアニメの物まねばかりをしており、トレンドのアニメをしていたからだ。あそこの視聴者は流行り物が好きで、おそらく10年前のアニメに興味は持たないだろう。
魂である私はあの10年前のアニメたちが再度盛り上がっていた空気感を壊したくなかった。
だから、最近のトレンドのアニメの話題はわざと避けるようにアリアちゃんに指示を出していた。
魂の私にはインターネット老人会を盛り上がってくれた方がアリアちゃんにとってメリットがあると思っていた、だから、いいことだと割り切っている。
でも、むしゃくしゃした何とも言えない気持ちが自分を襲ってきたため。
ツイッターの告知とか行わず、いきなり枠を取ってしまった。
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配信を開始して数分間アリアは黙りこんでしまった。
結果にかなりのショックを受けてしまったのだろう。
水饅頭:あれ、静かですね?アリア様。
にゃんにゃん丸:どうしたん?
ドラゴン先輩:いきなり、枠取っていたっけ?
いつもなら枠を取る時ツイッターで宣伝を行っているが、今回は行っていないことに視聴者は心配しているのだろう。
「え~とね。声真似のオーディション落ちたの。」
アリアはもじもじしているが、彼女なりに勇気を出して言っていた。
水饅頭:残念です。でも、あの配信は好きでした。
野田係長補佐の紋次郎:しょうがないね。そんなときもあるよ。
ドラゴン先輩:流行りに勝てないしゃーないです。
「みんなありがとう。でもさ、悔しいんだよね。
落ちたこともショックなんだけどさ。
下僕どもと一緒になってさ、楽しく作った音声が認められなかった事実が胸にささるんだよね」
アリアは声が震えていた。
―――――アリアはかなりショックを受けているのだろうか。
魂の私はかなり意外だった。
アリアが視聴者との思い出を踏みいじられたことにショックを受けていること。
魂である私は、あの時は楽しい思い出でいいと半分諦めかけていたのに。
それを心の底から悔しがるのを。
野田係長補佐の紋次郎:いいよ。俺らは、そんな小さいことなんて。
ドラゴン先輩:俺らのことを気にしてくれるなんて嬉しいな。
水饅頭:アリア様、次です。
励ましてくれる視聴者は、今のアリアにとって酷である。
むしろ、罵ってくれてほしかったアリア
「あんたら、バカね。卑怯だわ。むしろ怒りなさいよ。
ダメなご主人よ。」
泣くのを抑えているアリアは、それを隠そうと必死にして笑っている。
魂である私はこの感情むき出しになっているアリアちゃんを必死に抱きしめたいと同時に、
ネット老人会をバカにされて、悔しがるをの押しつぶそうとしている自分にグーで殴りたかった。
アリアちゃんは自分の深層心理であるため、心の底ではこんなに悔しがっていたのかと驚く反面。
感情を押し殺すことが得意になってしまい、気が弱いことをしっかりと受け入れてしまって残念であった。
水饅頭:卑怯なのはお互い様でしょう。私たちを沼にはめちゃってですね。
野田係長補佐の紋次郎:箱入り娘を怒るなんて、僕にはできないよ。
にゃんにゃん丸:君こそ、卑怯だよ。
「あんたら、本当にバカね。私が大手になったら、構ってあげないかもしれないよ」
悪者顔になろうとして成り切れなないアリアは微笑んた。
このアリアちゃんは愛おしかった。
水饅頭:いいですよ。
野田係長補佐の紋次郎:量は減るかもしれないけど、質は落ちないよ。
にゃんにゃん丸:その思いだけで十分だよ。
この視聴者たちは卑怯だが、それと同時に大切にしていきたい。
こんなにアリアちゃんをかばってくれるなんて。
「大手になっても私を支えなさい。これは命令よ。」
野田係長補佐の紋次郎:こっちはそんなつもりだけど。
ドラゴン先輩:かまってくれなかったら、俺らがもっとアピールしていくよ。
水饅頭:アリア様、もちろんです。
こうして、アリアと視聴者との絆は確実にしていた。
そんな配信も悪くないと思った。
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