恐怖があるから、勇気という反対の言葉があるの。

アリアは、にゃんにゃん丸のトラウマを受ける準備を行っていた。


 


 


にゃんにゃん丸:1か月前に付き合っていた彼女がいたんですけど、海のデートで振られたんですよね。この時の思いが忘れきれないです。


 


「なんで、振られたの?」


アリアはどこかたどたどしくなっており、傷を広げないように彼女なりに配慮しているのだろう。


このたどたどしさは、ここの洞窟内の入り江であるステージの虚しさとbgmの神秘でより引き立っている。


 


にゃんにゃん丸:分からないです。突然言われてしまって、頭が真っ白になったんです。


 


「なるほどね。新しい女でも作りなさいというのも野暮かもしれないわ。


よりを戻したいとあなたは願っているのね。」


アリアは真剣になって考えており、解決案を探しているみたいだ。


 


にゃんにゃん丸:そうです。自分でも分かっているつもりなんですけど、振られた理由が聞けないんですよ。


 


「いきなり聞けというのは難しいよね。


私は傍若無人ってことは認めているけど。臆病者なの。」


アリアは、声が震えていた。


どうやら、アリアは自分が臆病という事実を口に出していうことに


相当な勇気を出していたみたいだ。


 


魂である私はアリアちゃんが臆病者である事実に驚愕しているが・・・


それより、アリアちゃんがおそるおそる口を開いている姿に勇気付けられた。


弱い物が大きな恐怖に戦う姿は、ルサンチマン的な思考を持つ私に突き刺さる。


 


「常に恐怖と闘っているの。今日の配信もコメント0だったら、配信できるか不安だったし。


雑談配信で視聴者数0だったら虚無配信になっちゃうし、実際にゲーム配信にさせてもらっているしね。


恐怖があるから、勇気という反対の言葉があるの。」


アリアはおびえつつも大きな何かと闘おうとしている。


弱者の勇気を見ていると、魂である私も闘わないと自負してしまう。


 


にゃんにゃん丸:ありがとうございます。私も恐怖と闘ってみますね。


明日、振られた理由を聞いてみようと思います。


 


「砕けたらここに来なさいよ。


ヴァーチャルの世界でなら、愚痴こぼしていいからさ。」


アリアは姉貴分になったつもりで笑っているつもりであるが、自信がないことからくるぎこちなさがでている。


そのぎこちなさは、魂である私にしか見えていないのだろうか。


これが、闘うということだ。


 


にゃんにゃん丸:そうさせてくださいw


水饅頭:人生相談の配信でいいですね。アリア様の心の強さが垣間見えていいですね。


 


「無駄話をしたわね。


マリモが棒立ちになっているのも、従順な犬みたいでいい感じだわ。」


アリアはマリモに対していつものように嘲笑っている。


人生相談で重くなった空気を変えようとし手の行動であり、アリアなりの配慮だろう。


 


たくわん:いつもの空気にすぐになって草


水饅頭:アリア様のS系のセリフはたまらないです。


 


「早速進めるわ。」


深淵につづいている神秘的な海水の中にマリモを泳がせた。


2分くらい泳がせていると、グロテスクな大きいウツボがくねくねと気持ち悪く泳いでいる。


 


「気持ち悪!!!」


アリアは血の気が引いた顔になっており、近づきたくなさそうです。


ちなみに、魂である私もこのウツボは苦手で、ウツボ関係のパワーストーンを取れていないわけだ。


 


 


玉ねぎ戦士:女の子はここが苦手な人多いよね。


水饅頭:確かに気持ち悪いですね。


 


よく見ると、ウツボのしっぽにパワーストーンが一枚くっついていた。


おそらく、しっぽに回り込めばクリアであろうとアリアは理解したが・・・


 


あのくねくねしている蛇みたいな泳ぎ。


あのどんよりとしている瞳。


触れただけでぬるっとしていそうな感覚。


それらの要素が、アリアをウツボから遠ざけようとしている。


ゲームと理解していても触りたくない。


 


放送画面上では、かなり嫌がっているアリアの表情が写っていた。


モーションにはほかのVより2倍くらい投資しており、より鮮明に嫌がる顔が映っている。


 


水饅頭:ここから逃げて、別のパワーストーンを取っていきましょう。


 


「ばかじゃないの。目の前にパワーストーンあるし、すぐに取れるでしょう。


私が怖がっているように見えるの。そんなこと全然ないから。」


アリアは強がっており、ウツボのしっぽに向かいながら泳いでいる。


泣きべそを少し浮かべながら、ゆっくり泳いでいるウツボに勇気を振り絞って近づいていた。


 


魂である私は、アリアがそこまでする理由が分からなかった。


別の所で、パワーストーンを取ればいいと思っていた。


 


ふとあるコメントが見えた。


 


にゃんにゃん丸:私のために苦手なウツボと闘っているのですか?


闘うことの見本を見せるために。


 


アリアはただパワーストーンがあるから全力で泳いでいるのではなく、にゃんにゃん丸さんに戦うという意味を教えるために泳いでいる。


 


これは、アリアにとって応援である。


 


 


アクション要素はかなり薄いため、パワーストーン自体は簡単に取れてしまった。


―――私ですら、とることができなかった。


 


これがアリアが見せたかったものなのか、

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