第二話 うんめいのであい

そして、3年の月日が流れ、四月。中学校に入学した。


俺が入学した学校は、校舎が広く、クラスの数も多い。俺の学年のクラスは、7クラスもある。

俺は、自分がどのクラスかを確かめた後、そのクラスの教室に入った。

クラスの人数は、30人くらいで、全クラス合計220人くらいであった。

その日は体育館で入学式が行われ、担任の自己紹介、そしていろいろプリントが配られて、午前中で帰宅した。

午後は、ずっと自分の好きな曲を聴いていた。

 

ーいつかこんなふうにたたけたらな。ー


そんなことを考えながら、曲に合うように手を動かしていた。


二日目の始業式で、部活動についての説明があった。一年生は、まず二週間くらい部活動見学を行い、期限までに、入部届をその部活の顧問に提出しなければならない。俺は入る部活は吹部一択だったので、入部届をもらった後、すぐに書くことができた。そして、その翌日に体育館で1分ずつの部活づ紹介があった。


俺の入学した菜賀山中学校は、部活動が20以上あったので、結構時間がかかった。その中で、吹奏楽部の紹介があった。ステージの上に、部長と副部長の二人が出てきた。部長は少し長めのロングヘアで、目が大きく、体が細めのきれいな女性だった。隣にいるのは、身長が高く、足が細くてニコニコとした笑顔の男性だった。その二人が出てきた瞬間、体育館が少しざわめいた。すると、部長と副部長が、


「こんにちは。」と、笑顔で言った。

「吹奏楽部部長の宮本菜々子と」「吹奏楽副部長の石賀慶五郎です。」と、元気のある自己紹介をした。


そのあと部活の勧誘をした後、落ち着いた雰囲気のまま、体育館を出て行った。

クラスに戻ると、部活動体験の時間などの説明があり、放課後に、部活動体験をした。

その中に、俺のクラスと同じクラスメートが2人いた。後で、話しかけてみよう。そう思いながら部活動見学をした。


最初はフルートからで、ホルン、チューバ、ユーフォ、サックス、パーカ、コントラバス、トランペット、トロンボーン、クラリネットの順番で回った。パーカでは、小物楽器や、ドラムなどの大きな楽器を触れてみた。俺のほかに、クラスメートの二人も、興味があるような感じがした。全部回り終わって、学校から下校するとき、クラスメートの女子生徒のほうに声をかけてみた。


「君、さっきパーカに興味ありそうだったよね。」

 

「あ、うん。そうだけど君は?]

俺が声をかけた女子生徒は、穏やかな目で話してくれた。


「実は俺も同じでさ、せっかくだから、声をかけておきたいなって思って。名前、教えてもらえないかな」


クラスメートの名前を覚えれていない俺は、その女子生徒に

名前を尋ねた。


「私の名前は神崎友梨佳。君の名前は?」

 

「俺は大宮凜華だ。これからよろしくね。」

 

「こちらこそ。」

そんな挨拶をして、その場を別れた。もう一人のクラスメートは近くにいなかったので、明日声をかけようと思った。


俺は、新しい出会いに、ちょっとドキドキした。 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る