1章2節 同居

 あのあと、まずは計画を立てることではなく、今後の予定について考えるようにした。

「イチカ、言っておきたいことがあるんだけど、いいかな?」

「なんかあるのか」


「あのね、これからここで暮らしていく以上、君と一緒にいなきゃダメなんだ」


「どういうことだ?」

「君がどこか行くときは、必ず私が一緒にいなきゃダメなんだよ」

俺は困ってしまった。たぶん、俺が学校に行くときや、買い物をしに行くときはリンと一緒にいなきゃいけないのかもしれないということだ。

「なんでずっと一緒じゃないといけないんだ?」

「今、私の魔法を使える回数が一回しか使えない以上、あなたの魔力に依存しないといけないの。魔力の供給をするためには、君の近くにいなきゃいけないの。それに…」

 リンは少し困ったような表情をして、

「もしかしたら、破壊者が急に来るかもしれないから」と言った。

俺は少し考えてしまったが、リンのことを考えて、そうすることに決定した。

「それはいいけど、魔力の供給って、どうすればいいんだ?」

それを俺の発言を聞いた瞬間、リンは恥ずかしそうに、顔を少し赤く染めながら、

「私のことを、ずっと思っていてくれたら、魔力の供給ができるよ。」


「マジか…」

「マジです!」


 なんともうさんくさいように感じるが、俺はその日から、リンのことをずっと思うようになった。

 俺は、リンと今後の予定についた後、自分の部屋に行き、そのまま一旦ベットに倒れた。

赤の他人と生活するのが初めて、その人は魔法を操れる美人ときた。アニメ大好きな俺からしたらこれは夢なのではと思ってしまう。しかし、彼女はこの世界で楽しんで暮らすことが目的ではない。破壊者という者を倒すことだ。だから、彼女はそれを達成したらこの世界から消えてしまうかもしれない。この世界で楽しんでくことなく。でも、俺は彼女に協力すると決めた。俺のわがままは、ここまでにしよう。

 俺は、いつも着ている服に着替えると、リンのいる隣の両親の部屋に行った。ドアを少し開いて中をのぞくと、そこには白いワンピースを着た彼女がいた。そういえば、彼女の服はどうすればいいのだろう。俺は多少のお金があるが、果たして彼女は服が欲しいのか。


「なあ、リン」

「ん、どうしたの?」

「リンって、その、服とかほしくないか?」

「そうだねぇ」

リンは少し考えた後、

「服は、これしかないから、買ってもらえるなら、お願いしてもいいかな?」

「うん、わかった」

リンが頼んできたので、明日の日曜日に、近くのショッピングモールに行くことにした。


なんか漲ってきた。

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