第13話・お人好し

翌日、道中。恵翔けいとがやけに不安そうだ。

こう…、もしも______…、もしも見つけられなかったら…?どうするつもりでいるんですか……?』

いつもオレを馬鹿にする、勝気な彼の表情はどこへやら。突然しおらしくなった恵翔けいとは、まるで迷子の小さい子供のようだった。

明日あした見つけられなかったら明後日あさって明後日あさって見つけられなかったらその次。…絶対に見つけてやるから、心配すんなよ。」

『って…、アンタ、夏休みが終わっても探す気ですね。アンタに今必要なのは日本語の勉強でしょうが………。このお人好し。

生者が死者に人生の一部ルート狂わされるなんてさ__________…。』

普段、ずっと敬語を使って話す恵翔けいとから一瞬飛び出たタメぐちは、やけに寂しそうに聞こえた。オレは、恵翔けいとのその言葉が否定できないものだったから、オレ自身に都合のいいように聞こえただけなのだと_______そう思い込むことにした。


「……っ…、

……よしっ!明日あしたは電車だなっ。お前は幽霊だから、タダ乗り♡1人分コストカットだ♪!むこうに着いてからは、けいが案内するんだぞ!」

気まずくなってしまった空気をなんとかしようと、ワザと明るく振る舞ってみた。












『わかりやすい人…………。』

最後に恵翔けいとが言ったことはその時、オレには届かなかった。

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