第12話・城守池の町

ごほん!とオレは1つ、咳払いをして、また真面目に恵翔けいとへ向き直った。

「資料とか、置いてある場所知らねーのか?あ、勿論お前についてのものがいいんだけど、城守しろもり池のでもいいぜ!…オレより長くし……。」

『今あるかは知りませんが、城守しろもり池から1番近い図書館が大きかったかと。個人情報もある、なんて、友人に聞きましたよ。』

へぇ〜、と感嘆の声を出す前に、オレは驚愕した。

「えぇ!?…ぉ、お前、友だちいるの!?!?オレだけじゃないのか!!よかったな!!」

こんなに人をバカにする奴でも、友だちができるんだ、と驚愕した。

『アンタも中々失礼ですね!?』

「よし!じゃあ、明日、そこの図書館に行ってみよう!図書館なら、手がかりかあるかもしれねぇな!!」






城守しろもり池が見える程の場所に位置する駅に着いて数秒後、オレのテンションは墜落した。

『…遠足だとでも思ってたんですか、アンタ……』

「まぁいい!!オレは諦めねぇ!うぉぉぉ!」

『…なにかのやる気に火がついてる……。おマヌケさん…。』

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