第7話・1週間

『てか。いつ探してくれるんですか。。』

「う"……っ…」

中々痛いところを突かれた。“俺の死体”を強調された感じがして、余計に眉間にしわがよる。

『成仏したいんですよ、…俺だって。』

「じゃあご自由にやっちまえよッ!!」

『したくてもできないんですよ!!俺みたいなのがいる理由はですねぇ、この世に未練があったり、死んだことに気がついていなかったり…、死んだことを受け入れられていなかったりするからです。例外はありますが。……因みに俺は、一番最後の最後のなんです。』

______自分かコトに納得できていないから……。

そう続けようとして、ぱっとやめた。

『“死んだ”という事実を心の底から納得できていない___。自分が死んだ証拠を自分で見て、“もういいや、大丈夫だ。”って思いたいんです。』

オレなら、見たくない。

成仏だって、したくない。

探すなんて、バカなこと。

そんなバカなこと、したくない。

(ホント、オレ、子供だなぁ……。)

覚悟が違うのだろうか。オレもいざ、死んだら、そう思うのだろうか。

そんな無意味なコトを考えながら、どこか遠くを見つめる。





「夏休み。」






『……え?』

「おっ、お前も知ってるハズだろっ、オレたちの夏休みの時期!」

『は?……はい。夏休み。』

夏休みそこで探してやるよ。亡骸なきがら。」

キョトンとする恵翔けいとを見て、オレはそう言った。

本当は嫌なんだケド、頼まれたら断れないし。

そんな言い訳と、

それで見つけられなかったら、それっきり。

守らないであろう未来の自分への約束を、その一言に込めて。



「夏休みまであと1週間くらい。…1週間、ガマンしろ。」

『……はい。』

その時の恵翔けいとの嬉しそうで控えめな微笑みが、

忘れられない。

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