第2話・挑戦

ついに、オカルトばなしをしてからおよそ1週間が経ち、オレは覚悟を決めて、ソイツに話しかけてみることにした。(勿論、誰かに聞かれるとマズいので家で)

7年ぶりにして初。

オレと背後霊(?)史上初の会話が成立するのかッ!?

背後霊と話したなんて言えば、讃えられる可能性も残っている!!!

「なあ、お前なんでずっとついてくんの?」

緊張混じりだが落ち着いて。そしてそのまま、

オレに何かしてほしいワケ?

_____そう続けようとしたとき、不意に前髪の隙間からソイツの表情が覗いた。

心底驚いた様に目を見開いている。オレを凝視する瞳は、柔らかく美しい琥珀色だ。

「…なッ、なんだよ………!や、やんのか…ッ!?」

つい焦りが溢れ出し、挙動不審になってしまう。

『あ……っ、あ…、の………』

そんな挙動不審なオレなんか御構い無し、霊は声を絞り出した。

(しゃべった!!!!!!話せるのか!)

会話が成立した喜びや達成感のようなものが、昔から自分の意識の奥の方にまとわりついていた不安や恐怖を追い払った。

『頼みたい事が、あるんですけど……、』

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