会話93.デートのご飯

「デートの映画はアレだな、とりあえず二人とも楽しめる映画にしようか」


「そだね。あ、でもカップルシートあるなら座ってみたい」


「カップルシートって、二人がけのソファっぽいやつか?」


「うん。せっかく初デート体験なんだし、あったらやってみようよ」


「分かった分かった。んじゃ、見る映画はシートを考えて決定という事で……」


「そうだねぇ、後はご飯とかどうしようか? お昼ご飯と晩御飯。デートならそれも外せないよね」


「んー……デートならレストラン? イタリアンとかそういうの」


「レストラン~? 高校生でぜーたくじゃない?」


「でもほら、高校生用のコースとかあるみたいだぞ。ちょっとお安い値段のやつ」


「なんか肩凝りそう……。あと、安いと言ってもこの値段出すなら私が自分で作りたい!!」


「お前、それ言ったら全部台無しじゃん……。確かにアスカの作った方が美味い気がするけど」


「あ、でもそれなら私アレ食べたい!」


「ん? なんか希望あるのか?」


「牛丼!」


「牛丼……」


「牛丼屋さん、よく考えたら入ったこと無いんだよねー」


「そういえば入ったこと無いっけ」


「オウカは一人で食べてることあるよね。だからオウカの好きな牛丼屋さんの味を分析して、再現できれば喜ぶかなって」


「アスカの一度食ったものの味の再現能力には舌を巻くわ。よくできるな」


「味の再現は、料理人の基本だよ!」


「お前料理人じゃ無いだろ。どこ目指してるんだよ。まぁ、デート感はないけど……アスカ食べたいなら行ってみるか」


「うん! 牛丼屋さん楽しみだなぁ。どんな牛丼あるんだろー」


「まぁ、色々トッピングとかあるからな。楽しみにしておけ」


「お昼はそれで決まり。晩はどうする?」


「んー、昼が牛丼だし夜はもうちょい良いものが……」


「じゃあ家で食べよう。私が手料理を作る! これは譲れない」


「いや、デートなんだから外の方が良くない?」


「だって、そうしなきゃその日はオウカに私のご飯食べてもらえないじゃん」


「……お、おう」


「オウカはデートのシメ、何が食べたい?」

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