会話72.メイド服

「オウカ、メイド服って好き?」


「いきなりだなアスカ」


「ママがさ、オウカの家で家事するならせっかくだしメイド服を着てみたらってくれたんだよね」


「なにがせっかくなんだ、ママさんよ?」


「と言うわけで、もらったのがこのメイド服です」


「……おぉ、てっきりなんか露出が凄いミニスカのメイド服かと思ったんだけど、割と普通だな。色も濃紺で、白いエプロンでフリルも少なめだ」


「オウカはミニスカの方が良かったかな?」


「いや、メイド服はむしろこういう方が好きかな。料理する時にミニスカは危ないし」


「じゃあ料理終わったらミニスカにしようか? 実は他にも何着か貰ってるんだよね」


「なんでそうなるんだよ、着たままでいいよ」


「そんな、メイド服を着たままの方がいいだなんて……オウカったらマニアックな性癖」


「今そんな話してなかったよね?」


「とりあえず私はメイド服着てみるから。はい、これオウカのね」


「……は? 俺がメイド服着るの? やだよ?」


「違う違う。それはメイド服じゃなくて執事服。燕尾服? とにかく執事さんが着る服」


「なんで?」


「オウカが着るから」


「だからなんで?!」


「なんかママがオウカにも着てもらえってさぁ。メイドと執事で相性がいいって」


「何だよ相性って……あれ? なんか服に紙が挟まってる……」


「オウカに読んでねってママが」


「えっと……なになに……『鬼畜執事の受けシチュエーションでお願いするわねぇ』って、何よこしてきてんだあの人は?!」


「てことは私は甘々攻めだね!! さぁオウカ!! 早く執事服を着るのよ!!」


「んなこと聞かされて着れるか!! ってもう着てるのかよ?!」

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