付き合ってるようで付き合ってない、でも周囲からはどう見ても付き合ってるようにしか見えない幼馴染の男女の日常会話

周囲22.花野木夫婦

「ねぇ、あなたぁ？　アスカとオウカ君をくっつけるにはどうしたらいいかしらぁ？」

「え？　あの二人ってまだ付き合って無いの？　私てっきり、もう付き合ってると思ってたんだけど」

「付き合ってないのよぉ」

「今日もアスカはオウカ君の家に入り浸っているのに？」

「たぶん、またお泊りしてくると思うのよねぇ。パジャマ持ってったしぃ」

「……なんで付き合って無いの？　まだ間違いとかは起きて無いんだよね？」

「起きて無いわぁ。起こさせたいんだけど……」

「起こさせないで!!　付き合うまでは反対しないけど母親がけしかけないで!!」

「だからぁ、付き合わせたいのぉ。いい方法ないかしらぁ？」

「うーん……今でもダメってなると、いつもと違う雰囲気にしないとダメじゃないか？」

「いつもと違う雰囲気？」

「ほら、二人って幼馴染だろう？　その雰囲気が付き合わないことの原因になってるなら……まずはその雰囲気を変えないと」

「なるほど雰囲気……雰囲気を変える……」

「まぁでも、私は心配していないよ。あの二人の事だからそのうち自然にくっつくだろうさ。だから私達大人は余計なことはせずに……」

「雰囲気を変えるなら、やっぱりメイド服かしらねぇ？」

「ミトリ？」

「アスカにメイド服を着せて、オウカ君には執事服を着せて……良いわねぇ、メイドと執事の恋物語とかぁ……」

「おーい、ミトリさーん？」

「でもあれね、オウカ君がガツガツ行くのが想像できないからお手紙を忍ばせて……アスカのメイド服は超セクシーなので……」

「止めなさい」

「あいたぁっ!!　何するのよぉ、あなたぁ」

「君が暴走してとんでもないことをしそうだからだよ。まったく……」

「むー……」

「オウカ君の性格を考えるなら、メイド服は奇抜ではないシックなものだろう。きっとロングスカートがベストだ」

「あなた!!　分かってくれたのねぇ!!　じゃあ私は衣装の調達に行ってくるわぁ!!」

「でもミトリ……って早いなおい、もういなくなった……。あー……なんかまた、成功し無さそうだなぁ……」