会話71.オカズ

「そう言えばさぁ」


「ん? どしたアスカ?」


「オウカってさぁ、どんなオカズが一番好きなの?」


「へ?」


「あ、アッチの方のオカズじゃないよ? そっちはアスカちゃんが十分供給を……」


「言わせねぇぞ?」


「違うの? オウカの部屋を掃除してもそういう本が全く出てこないからさぁ。グラビア誌くらい?」


「……見たの?」


「うん。あーゆー子が趣味なの? 胸おっきくて凄かったねぇ。ビキニも決まってたし」


「その辺はノーコメントでー……」


「今度、着てあげようか?」


「それよりオカズの話だろ。なんでいきなりそんなこと聞いてくるんだよ」


「いや、ほら。オウカって私の料理を全部美味しいって言うでしょ?」


「そうだな、アスカの料理はどれも美味いな」


「何でも美味しい美味しいって言うから、何が一番好きなオカズなのかと思って」


「……一番好き……かぁ……悩むな」


「悩むの?」


「悩むだろ。どの料理も美味いんだぞ? その中で一番って……決めるのは困難すぎる」


「ほらほら、毎日食べても飽きないって言うくらい好きなオカズ。それが何かなって」


「ちなみにアスカは何が一番好きなんだ?」


「肉」


「シンプルだなオイ。確かに肉料理は美味いけど」


「オウカもそうなんじゃないの? ほら、からあげとかハンバーグとか、トンカツとか!」


「でもなぁ、毎日食べても飽きないやつだろ? 流石にそれは毎日食べてたら……」


「飽きちゃうねぇ。たまにはお魚も食べたくなる」


「うーん」


「まぁ、いっつも美味しいって言ってくれるから無理に言わなくても」


「あ、あったわ。毎日食べても飽きないの」


「え? 何々? 教えて教えて、次のお弁当とか……」


「アスカのみそ汁」


「……へ?」


「アスカのみそ汁は、毎日飲んでも飽きないな」


「……えっと……その……そっか。お弁当にはできないねぇ」


「それもそうだな。でもまぁ、一番はそれかなぁ」


「ありがとう、参考にする……」


「アスカ、顔赤いぞ? 風邪ぶり返したか?」

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