会話70.髪型

「あれ? アスカ、髪型変えてる?」


「ふっふっふ、今日の私はポニーテールにしてみたのだ!! 最強!! 無敵!!」


「可愛いけど珍しいな。昔、ポニーテールで首グキッってなってからやってなかったのに」


「あー……あれはねぇ……」


「あの頃のアスカは……」


「可愛かった? あの頃から美少女だった?」


「とんでもねぇヤンチャ坊主だったよな……ガキ大将と言うか……」


「まさかの否定?! 女の子だよ?!」


「だってお前、ポニーテールを馬鹿にしてきた男子全員をぶちのめしてたろ。精神的にも物理的にも」


「だってさー、可愛くないってポニー引っ張ってくるんだもん。それで首痛めたら腹立つでしょ」


「まぁ、女の子に対しての扱いではないよな。あれは無いと思ったわ」


「だね。その頃からオウカは私の事を庇ってくれたもんね」


「庇った俺が殴られた結果、アスカがブチギレて相手をボッコボコにした時はビビったよ……」


「私を馬鹿にするだけならともかく、オウカを殴ったんだよ?! 許せるわけないじゃん!!」


「何だろうな、暴走したアスカが5人くらいの男子を叩きのめした様は……ちょっとしたトラウマだ」


「今はもうできないよねぇ。さすがに男の子とは体格差がありすぎるし」


「そして、ぶちのめしたはずの相手の親が、話聞いて揃ってめっちゃ謝ってきたよな……。ボコボコにされたのに、さらに親にボコボコにされて哀れすぎた」


「その時もオウカ、庇ってくれたよねぇ。ほんと私はオウカに助けられっぱなしだ」


「助けられてるのは俺の方だっつーの」


「そういえばさ、オウカは私のポニーテール好き? 可愛いは言ってくれるけど、好きかどうかは言ってくれないよね」


「……言わなきゃダメ?」


「女の子は褒めて欲しいんだよ?」


「……好きだよ、アスカのポニーテールも」


「わーい」

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