周囲19.お買い物

「なーんでうちは、伊達山だてやまと一緒にスーパーにきちゅーんやろうか……?」


「たまたま、帰りが一緒になったからなぁ」


「お母さんにお使い頼まれちょっただけなんやけど」


「荷物持ちするって言ったら、じゃあお願いって言われたからなぁ」


「なんでうちは、お願いするわとか言うてしもうたんやろう」


「なんだよー、日紫喜ひしきは俺と一緒にいるのは嫌かー?」


「別に嫌やないけど……」


「……やっぱり日紫喜、デレてきてない? 付き合わない俺等?」


「デレてない。付き合わない。これはあれ……ええっと……そう、男を手玉に取る悪女やき」


「絶対、日紫喜には無理な奴じゃん。ロリ悪女て」


「ロリ言うな」


「とりあえず、何買うんだ?」


「鶏肉と卵を買って来てって」


「今日は親子丼か?」


「うん。今日はお母さん仕事やき、買えたら買うて来てって」


「そっか。お義母さんからのお使いか……」


「なんか今、変な言い方せざった?」


「気のせい気のせい」


「えっと……鶏肉は……」


「日紫喜、卵お一人様1パックだけど俺いるから2パック買えるぞー。どうする?」


「あ、じゃあ2パックお願い」


「なんか今の夫婦っぽくなかったか? なんか、すげぇ嬉しいんだけど」


「夫婦やないき!! まだ付き合うてもおらんのに!!」


「ちぇーっ。おや、鳥谷部先輩と花野木先輩が一緒に買い物してるぞ」


「あ、ほんとだ。仲ええねぇ……。羨ましいわぁ。ってあれ? こっちにくる……?」


「二人も目当ては鶏肉かな? あ、鳥谷部先輩が気付いた。ちーっす!! 久しぶりっす!!」


「待って!! 伊達山待って!! うちまだ心の準備ができちょらん……話進めんで!! う……後ろ隠れさせて!!」

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