会話49.暑い日

「暑いねー、オウカァー」


「あっちぃなぁー、アスカー」


「こんな日は全裸になりたくなるねぇ……」


「なんか、全裸だと逆に暑いらしいぞ。なんか、冷えた身体を温めようとするとか」


「じゃあ下着か水着かなぁ?」


「つーか、クーラーつけよーぜー。さすがに暑すぎる」


「んー……クーラーの風ってあんまり好きじゃないんだよねぇ……」


「いやそれ以前にさ」


「ん?」


「ピッタリくっつくの止めない? 暑いし熱いし……お前薄着だから肌が直に密着してんだよ」


「古代エジプトでは、偉い人って裸の美女をクーラー代わりにしてたらしいよ?」


「何その超絶に羨ましいクーラー」


「なんか気温が体温より高いから、肌と肌を触れさせ合うと涼しいんだって」


「今の気温は?」


「27℃くらいかなぁ」


「アスカの体温は?」


「平熱は35.5℃かなぁ」


「気温の方が低いから人間クーラー大失敗じゃねーか!!」


「大声出さないでよ、オウカー……余計に暑くなるー」


「いや、アスカが離れてくれりゃあ全部解決なんだけど……」


「やーだー……離れないー」


「お前、この間の一件からしょっちゅうピッタリくっついてくるようになったな……」


「まー、だいぶ平気になったけどねぇ……。昨日は女子達だけでお泊り会したしー」


「その女子達だけのお泊り会を俺に実況中継するな……。一緒にいたダチ達がそこに行くぞって息巻いて止めるのに必死だったんだぞ」


「来れば良かったのに」


「行けるか」


「一緒にいた子達も『オウカ君来ないのー?』って言ってたんだよ?」


「……マジ?」


「オウカのスケベー。何期待してるのさー」


「いや、お前が期待させるようなこと言うからだろ」


「そんなスケベなオウカ君にはハグの刑に処しまーす」


「あーつーいー……」

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