会話46.怖い夢

「なぁ……アスカ……」


「なに? オウカ。おはようー」


「いや、何で朝からこんなべったりくっついてきてるの?」


「そんなにべったりくっついてるかな?」


「起きたら背中から抱きしめられてるんだから、べったりくっついてると思うんだけど」


「……うん」


「怖い夢でも見たか?」


「分かる?」


「アスカ、怖い夢見ると決まってこうやってくっついてくるだろ。昔から変わんねぇよな」


「昔からそうだっけ……」


「どんな夢見たんだよ。」


「……オウカが居なくなっちゃう夢見て……急いで部屋来た」


「俺が居なくなる夢って……」


「高校生にもなってなんか情けないんだけどねぇ……むしょーに寂しくなった」


「どんな夢さ?」


「オウカが後輩の女子に告白されて、付き合うようになって、彼女が嫌がるからって私と遊んでくれなくなる夢。喋ってもくれないの。私が作ったご飯も一緒に食べてくれないの」


「アスカの飯が食えなくなるのは俺にとっても拷問だなぁ……」


「あーもー……ホント情けない……。リアルすぎる夢だったからがばって起きて、オウカのとこ来て、すやすや寝てるオウカ見てホッとして……」


「潜り込んできたと」


「うん。起こしてごめんね」


「いーよ別に。休みだけど、そろそろ起きようと思ってたからな」


「じゃあお詫びに、朝ごはんは私が……」


「いや、たまには俺が作るよ」


「え……?」


「飯食ったら落ち着くだろ。アスカより美味くねーけどさ」


「うん。ありがと、オウカ……」

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