会話40.カラオケ後の二人

「あー、歌った歌ったー。気持ち良かったねーオウカァ」


「そうだなぁ……」


「なんかうちのガッコの生徒も多かったねぇ。やっぱりテスト後はストレス発散したいんだねー」


「そうだなぁ……」


「私もちょっと恥ずかしかったけど歌えてよかったよ。ま、オウカの前以外じゃ歌えないけどさー」


「そうだなぁ……」


「……オウカァ?」


「そうだなぁ……」


「今日の晩御飯、鍋で良いー? シメはラーメンにする? それとも、うどん? それとも、わ・た・し?」


「そうだなぁ……」


「もー、心ここにあらずだなぁ。そんなに大したことしてないじゃーん」


「お前……大したことあるよ……もうこのカラオケ来れないよ……」


「オウカ、意外にメンタル弱いよね」


「弱いとかじゃねーんだよ!! お前、突然俺の傍に来て匂い嗅いできたかと思ったらタイミングよくドリンク持った店員さん来て……」


「バッチリ見られちゃったよね☆」


「そこまでは良いんだよ。いや、良くねーけど!! まだいいんだよ!!」


「ならいいじゃーん」


「アスカお前、店員さん来てるのに止めるどころか膝の上に乗ってピッタリくっついてきたろ!!」


「なんかノリでつい」


「店員さんから割とガチトーンで注意されたじゃねえかよ……『お客様、お部屋内でそういう行為は慎んでいただけませんか……』って」


「でもそれ否定したじゃん。ただの幼馴染です。お互いの匂いを嗅ぎ合ってるだけですからご心配なくって」


「それ聞いた店員さん思わず叫んでたじゃねえかよ『そんなの実質セッ〇スじゃないですか!!』って……」


「面白い店員さんだったよねぇー」


「面白いですますな……つーか俺は匂い嗅いでねぇんだから嗅ぎ合うとか……」


「でも、良い匂いだったでしょ私?」


「……そうだけど……それは不可抗力で……」


「おうちで続きしよーねー、オウカ?」


「誤解される言い回し止めて……。もうやだこの幼馴染、最近グイグイ来すぎなんだけど……」

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