会話38.良い匂い

「テスト終わったー!! やっと終わったよー!! 終わったぁ……。……終わった」


「おい待て、どんどん元気なくなるな。ちゃんと勉強教えたんだから大丈夫だったろ」


「大丈夫だった……きっと大丈夫だったよ……。オウカァ……いつもありがとねぇ……」


「あーもう抱き着くな、ほら半泣きになるな、分かったわかったホラ」


「オウカァ……テスト無事に終わって嬉しいぃぃぃ!! ……背中ポンポンしてぇ」


「お前ホント、テスト嫌いだよな。頑張った頑張った、よくやった」


「テスト嫌いー……。なんで試されなきゃいけないのぉ……いいじゃない分からなければその時に調べて対応すれば……」


「うんうん、アスカはよく頑張った。勉強教えてるときも頑張った。よくやった」


「オウカ、今日はなんか良い匂いするね? 香水付けてる?」


「いきなり話題変えんな!! 匂い嗅がれるとか恥ずかしいんだよ!!」


「えー? でもなんかいつもと違う匂いするんだけど? はっ?! これもしかして他の女の匂い?!」


「何だよ他の女の匂いって……。親父から土産でコロン送られてきたから、ちょっと付けてみただけだよ。気分転換だ」


「へぇ、おじさんから? ちょっとほのかに香る程度だけど良い匂いだねぇ」


「アスカ、ここ教室……匂い嗅がない……」


「クンクンクンクンクン……」


「ステイ!! アスカステイ!!」


「ごめんごめん、だったらオウカもお詫びに私の匂い嗅いでいーよー?」


「いやだから、アスカ……ここ教室……」


「私は気にしない」


「俺が気にするの!!」


「じゃあ今日、オウカのお部屋でなら?」


「……よろしくお願いします」


「正直で宜しい。良い匂いするよきっと?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る