「オウカー……数学の宿題忘れてたー……見せてー……」

「お前……だから昨日言ったじゃねーかよ。宿題してから部屋来いって」

「だーってー!!　昨日は配信サイトで推しの生配信だったんだよ!!　パソコンはオウカの部屋にしかないんだから!!」

「スマホで見れるだろ」

「今月は通信料がもう限界だったのぉ……」

「限界まで何やってたんだよ……ゲームか？」

「だから推しの動画見てたって言ってんじゃん」

「お前ホントに好きだなー。ヴァーチャルMyTuberだっけ？　まぁ、確かに可愛いけど……」

「そうでしょ!!　可愛いでしょ!!　あーもう、一日中見てられる……」

「アスカも可愛いと思うけどな」

「あーりーがーとー」

「褒めてんのになんでそんな棒読みで答えるんだよ」

「えー？　だってねぇ……オウカって誰にでも可愛いって言ってない？」

「言ってないぞ？」

「こないだ隣のクラスのフウカちゃんに可愛いって言ってたじゃない」

「それは……だって、可愛いって聞かれたから可愛いって答えるしかないだろ？　女子から可愛いって聞かれて可愛くないって答えられる男子いるのか？」

「……いないね、うん。ごめん」

「だからまぁ、聞かれなくても可愛いって言うのってアスカくらいじゃないかな」

「これで素だからなぁオウカは……」

「なんでため息ついて呆れるんだよ。褒めてんのに」

「はいはい、ありがとう」

「お礼に今日の晩飯は生姜焼きが良いなぁ」

「ほら、それだもん。いいよ、今日は私特製の生姜焼きにしてあげる」

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