周囲1.二人の見え方

「あ、風波見かざはみあそこ見ろよ。花野木さんがいる。花野木はなのきさん、めっちゃ可愛いよなぁ。巨乳だし、優しいし、清楚だし、巨乳だし、お淑やかで大和撫子って感じだぁ」


津江月つえづき……人をジロジロ見ない。失礼でしょ」


「いやぁ……花野木さん可愛い……あんな彼女が欲しい……付き合いて~」


「いや、無理でしょ。向かい見てみなよ」


鳥谷部とりやべか……幼稚園からの幼馴染なんだっけ、羨ましいよなぁ」


「家も隣同士らしいよ。アスカ、実質的に一人暮らし状態の鳥谷部君のお世話してるとか」


「はぁ何それ?! あいつそんな状態だったの?! 家で二人きりって俺だったら我慢できねーぞ!!」


「津江月とは違って、それだけ鳥谷部君が紳士って事でしょ」


「あー……羨ましい。鳥谷部と花野木さんが付き合ってるとかショックだわぁ……俺もあんな彼女ほしぃ……巨乳の彼女欲しい……」


「いや……それなんだけどさ……」


「ん?」


「二人……付き合ってないらしいんだよね……」


「は? 嘘だろ?」


「いや、ほんとに。アスカに聞いたから間違いないよ。付き合ってない、ただの幼馴染だって言ってた」


「マジか!! じゃあ俺にもワンチャン……。いや待って、ただの幼馴染なのにあんなことするのか?」


「ん? あぁ、なんか弁当の卵焼き、あーんしてあげてるね。頭撫でてるね」


「どう見てもカップルじゃん。付き合いたてのバカップルの行動じゃん。付き合ってないって嘘だろ、エイプリルフールだろ」


「今は四月じゃないよ。いや、ほんとだって。付き合ってはいないって言ってたから」


「……付き合って無いけど、既に結婚してるとかそういうオチ?」


「それは無いでしょ」


「はー……今度ダメもとで告白してみようかなぁ……」


「津江月は無理だと思うよ」


「あー……巨乳の彼女欲しい……オッパイに埋もれたい……」


「……はぁ。まぁ、いいけどね」

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