第10話 いざご対面!
お父様に話を付けてから5日後、商品をやっと売り終わりアルティニアに帰る支度を済ませる。
「さぁ!お父様!!彼らのところまで行きましょう!!!」
さぁさぁさぁ!とだらだらのろのろ支度をするお父様をせかします。
父「イザベラ~寄り道せずに帰ろうではないか!な?な?そうしない?」
お父様はどこまで渋るのか、ここにきてまっすぐ帰ることを進めてくる。
「お父様!私におっしゃったじゃないですか!好きにしていいと!そういったじゃありませんか!」
父「そ、そんなこと言っていないぞ!イザベラの聞き間違いじゃないのか?」
この馬鹿野郎……ゴホン…このおバカさんは何を言っているのでしょうか?そんなこと言っていないですって?フフフ、こんなこともあろうかと、タラララッタラ~イザベラ特製録音機~。
実はこの世界には録音機というものが存在していないんです。
よって、アルティニアの町の魔道具屋のお兄さんに協力してもらって録音機を作ってみました。
しっかり機能するかは実験済みです。
この録音機の存在は私と魔道具屋のお兄さんしか知りません。
なので……
「お父様、このボタンを押してください。」スッ
父「ん?このボタンか?」ポチッ
かかったな~ニヤ
『「なんなら彼らに直接お父様があって決めてくださってもかまわないのですよ?私は、彼らはまだ開花していませんが素晴らしい能力があると思いますよ?…お父様、彼らと一度も会うことなく決めてしまってもいいのですか?きっと彼らは私たちの強い力となってくれますよ?」
父「ぐぬぬぬ…しかしだな…。」
「ここまで言ってだめならば……」
父「だめならば…?」
「お父様と一生口を利きません。」
父「すみませんでした。もう何してもいいのでそれだけは許してください。」』
この間の一連の会話はしっかりと記録済みだー!!
これでもう反論できないだろう!
父「……え?……ん?………………。」
あら、お父様がフリーズしてしまいました。
まあそんなことどうでもいいのです。
そんなことよりも、
「しっかりとおっしゃっていましたよね?ということで行きますよ~。」ガシッ
今のうちにお父様を連れて行ってしまいましょう!
さぁさぁ!行きますよ~
~馬車で移動中~
ふぅ、やっと到着しました。
お父様は、………まだフリーズ中ですね、長い。
ガシッ
なかなか大人の男性を引っ張るのは大変です。
もうひと頑張りしますか!
トコトコトコ
ズルズルズル
トコトコトコ
ズルズルズル………
「ダビ!ラダ!お待たせしました!」
ダビ「お嬢さん、ようやく来たな。口だけでもう来ないと思ってたぜ。………ところでそのお嬢さんに引っ張られている男は?」
「ああ、これ?私のお父様よ?」
ラダ「これ………。」
ダビ「………そうか。で、俺たちを雇ってくれるんだよな?」
「ええ、そうy「雇う…?」やっと目覚めましたかお父様。」
父「イザベラ、こいつらか、お前が雇うといっている者たちは。」
「そうよ?ね?なかなかにいい能力を持っていそうでしょう?」
お父様にはわかるはず、お父様の人を見る目は確かだもの。
それに彼らはとても顔が整っている、ようはこの世界ではとても醜い顔だといわれているということ、お父様もきっと彼らの気持ちがわかるはずだから雇うなとは絶対に言わないと確信できる。
父「………いいだろう。彼らを雇うことを許そう。」
ほらね、やっぱり。
お父様なら絶対に許してくれると思っていました。
「ありがとうございますお父様!さぁダビ、ラダ、馬車に乗って?」
お父様は雇うのを許すと言ってすぐに馬車に乗ってしまった。
でもこれは怒っているわけではない。
ダビ「お嬢さん、あんたの親父さん怒ってるぞ?本当にいいのか?」
ラダ「…怒ってる…。」
「大丈夫よ。あれは怒っているわけじゃなくて悲しんでいるのよ。ほら、お父様もお顔が整っているでしょう?」
ダビ「整っている?醜いの間違いだろ?」
「私は整っていると思っているの!…まぁ、だからお父様も周りにいろいろ言われてきたような人だから。あなたたちを見て思い出したんだと思うの。だから怒っているわけだはないから大丈夫よ!さぁ乗って乗って!出発するわよ!!」
私は少し暗くなった空気を断ち切るように彼らに早く馬車に乗るように促し私たちの町アルティニアに向かって出発した。
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