第6話 魔力測定します
町の人達に声をかけられながら、歩くこと15分。
目の前には大きな教会がそびえ立っている。
この教会では創造神の神を信仰している。
司教「イザベラお嬢様。お待ちしておりました。どうぞこちらへ、魔力測定を行わせて頂きます。」
私が協会の扉を開けると、司教様が私を出迎えてくれた。
いよいよ魔力測定をするという実感がわいてきた。
楽しみだが少し怖くもある。
なぜなら、貴族の中では、魔力を持たないものや無属性という属性しか持たなかったものは家の汚点となると考えられているために、今まで優しかった家族が急に冷たくなったり、牢屋に閉じ込められたり、勘当されたり、ひどいところだと殺されたり、奴隷商に売られるなんて事もあるそうだ。
私の家族はたとえ私に魔力がなかったり、無属性だけだとしてもそんなことをしないと思ってはいるが、やはり怖いとは思う。
司教「さぁイザベラお嬢様。この丸い玉に手を当ててください。」
「はい。」
いよいよだ。
ドキドキしながらもゆっくりゆっくりと透明な玉に向かって手を伸ばしていく。
ピカッ!!!!
玉に手を触れると急に強い光が走った。
私がびっくりして手を離すと、それと一緒に強い光を放っていた玉もゆっくりと光を弱めていった。
これはどういうことなのかと司教様の方を向くと。
ポカーンとした表情で司教様が立っていた。
「し、司教様?」
あまりにも呆然としているのでとりあえず司教様を呼んでみた。
司教「イ、イザベラお嬢様⁈す、素晴らしいです!!!!!私は今まで司教を勤め、様々な方の魔力測定をしてきましたがこれほどの光を放つ魔力測定器を初めて見ました⁈そ、それに玉が白く光ったということは、聖の属性ですよ⁈聖の属性は聖の属性はもちろんのこと、ほかの四属性である火、水、風、土をも操ることができますよ⁈本当に素晴らしいです!!!!!ああ、創造神の神よ、イザベラお嬢様に素晴らしいものを与えてくださりありがとうございます!!!!!」
こんなにもテンションの高い司教様を初めて見た。
でも、いつも冷静でクールな司教様がここまで取り乱すということはそれほどすごいことなのだろう。
「司教様、魔力測定ありがとうございました。」
司教「いえいえ。取り乱してしまいすみません。こちらこそ、こんな素晴らしい時を見届けることができ嬉しい限りです。イザベラ・テイラー、あなたに創造神のご加護があらんことを。」
その言葉を聞き、私は一礼して教会を出た。
そこでやっと今までの緊張から解き放たれて肩の力が抜けた。
そこからは来た道を意気揚々と歩いていくのであった。
早く帰って喜び褒める家族を思い浮かべながら………。
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