第4話 気づいてしまった

 私、イザベラ・テイラーはあの後やはり生まれ変わったことを知り、テンションマックスだった。

 でも、前世41歳の記憶もちにとって、赤ちゃんからの再スタートというのはとても大変だった。

 何が大変だったかはあえて言わないが………。

 とにかく大変だったということだけ言っておく。

 その後の話の続きだが、私はテイラー家という貴族の家に生まれたようだ。

 テイラー家は侯爵という爵位を授かっている。

 また、侯爵という地位の中でも特に力の強い家のようで、同じ地位の人たちがお父様に対してペコペコしているのをよく見る。

 そんな私たちの家が納めている土地は、アルティニアという大きな町だった。

 今は大きな町だが、元は小さな貧しい村の集まりだったらしい。

 そんな場所を初代テイラー家当主のネフィスト・テイラーが建て直し、豊かな町にしたそうだ。


 そして、そんな豊かな町を治める侯爵家の令嬢である私だが、今世は絶世の美女、女神のような容姿として家族やメイド、執事からアイドル扱いを受けている。

 前世がブスだった私は、そんな周りの言葉に今世は美人に生まれたんだ!と喜び2歳の時に初めて鏡の前に立った。

 しかし、鏡に映っていたのは、前世の私の小さいころの顔そのままだった。

 そんな姿を見た私は、膝から崩れ落ちてその日一日泣き続けることとなった。

 いっそのこと鏡なんて見ずに過ごせばよかった………。


 そんな泣き崩れている私に、家族やメイド、執事たちは何を思ったのか「そんなに自分の顔が美しすぎて泣いているのか!うん。わかるぞ!よくわかる!!!!!ティナお母様に似てとても美しい!俺に似なくて良かった!!」とか「ほんとにあなたの顔は美しいわよ。」とか「お嬢様の女神さまのようなご尊顔!とてもお美しいですよね!私どもも初めてお顔を拝見した際に泣いてしまいました。!」とか「お嬢様のお顔を見られることが私どもの一日の楽しみにございます。その美しいお顔に何度癒されてきたことでしょうか。」なんてことを言い始めたのだ。何ですか、私がブスだから気を使ってくれているのですか?


 余計なお世話です!!!!!

 こんなにも持ち上げられたら逆にみじめですよ!


 と思って私はそんなことを言ってくる方々に言ってやりました!

「ブスなことは自覚しているので無理して褒めないでください。」と。

 すると、皆何言ってんだこいつ、と言いたげな顔で見てきたのである…なぜなの?!


 そんな経験がある私の家族は今、美人と言われているお母様と、醜いと言われているお父様、平凡顔と言われているお兄様と、何故かわからないが女神と言われている私の四人家族だ。

 正直な話、お母様の顔は美人と言うよりかは平凡だと私は思う。

 それとは逆に、お父様とお兄様の顔はイケメンと言われる部類の顔だと思う。

 そう思った私は、以前私の専属メイドのマリーに聞いたことがあった。

 お母様は平凡でお父様とお兄様はイケメンだと思うのだけれどと、すると、ものすごい勢いで私がイケメンだと思う顔のパーツのことを醜いと言い、逆に私が平凡、ブサイクだと思う顔のパーツをイケメン、美人の顔の作りだと語りだした。

 …長かった……まるで洗脳でもされているのではないかと思った…長かった…。


 2回も周りの人達と意見が食い違った私は違和感を感じた。

 そこで私は、他のメイドや執事にも聞いてみた。

 しかし皆マリーと同じことを言った。

 そこで私は一つ予測を立てた。

 それは、この世界が私の前世で言う美醜逆転の世界であるということだった。

 そういうことなら、私が女神のようだと言われることも、お母様は美人でお父様とお兄様は醜いと言われることにも納得がいく。


 もっと情報を集めなければ…。


 こうして私は4歳になるまで情報を集め続けた。

 そして、確信を得た。


 ここは美醜逆転の世界なんだと。

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