第3話 赤ちゃんからの再スタート
ぅぅううう!!
あ、頭が痛いよ!
え?なにこれ目が見えない…真っ暗だよ!!
私は多分死んじゃったんだよね。
でもなんでこんなに頭が痛いの⁈目も見えないし…どうなってるの?
死んでも痛覚はあるの?
それとも本当は死んでいないのかな………いや、それはないか。
さすがにあの状況では確実に自分が死んでしまうということはわかっていた。
あれだけ頭を強く打って、血を流したのだ、これで死んでいなければ奇跡に近いだろう。
そんな話をしている間にも私の頭の痛みは引くどころか強くなるばかり。
あぁぁああああ!!
痛い!!!!
そんなことを思っていながらも強い痛みに耐えていると、突然今まで以上の痛みが私を襲った。
その痛みは、まるで左右から大きな圧力で私の頭を押しつぶそうとしているような、そんな痛みだった。
しかしそれもつかの間、その時はものすごい痛みが走ったが、痛みから開放された瞬間、相変わらず目は見えないが、眩しいほどの光とさっきまであれほど痛かった頭の痛みがなくなっていた。
私がさっきまでの痛みに開放されたと思っていると、次は急に何かに持ち上げられたかと思ったら背中をバシバシと叩かれたり、口に何かを突っ込まれたりした。
その痛さと気持ち悪さに年甲斐もなく声を上げ泣いてしまった。
しかし、私が泣いた瞬間に背中をたたくのも、口に何かを入れていたのもやめてくれた。
一体何だったんだろうか。
まぁそんなことは今はいい、問題なのはいまだに目が見えないのと、今私は泣いているはずなのに声がまるで赤ちゃんだ。
そう、それはまるで生まれたての赤ちゃんが初めて肺で呼吸をして声を上げる、まるで産声のような声……。
それに体も小さいような……。
ちょっと待って!!……。いや…そんなことは……ない…はずだ………うん、一度整理しよう。
私が意識を取り戻したのは周りが真っ暗な場所で、自分自身は目が見えずに頭の痛みがあった。
その頭の痛みはまるで小さな穴から私の頭を引っこ抜こうとしているような押しつぶされるような感じがして、頭からの圧迫感がなくなると、その頭の痛みが引いた。
目は見ないけれど周りが明るくなったことはわかった。その後に背中をたたかれたり、口に何か入れたりして、あまりの痛さと気持の悪さに声を上げて泣いてしまって、その瞬間背中をたたくのも、口の中にいれていたなにかもやめてくれて、その時私の泣き声が赤ちゃんのような声で、そんな声の私が泣いた瞬間に周りにいる人が何か大きな声で安心したような興奮したような声を出しているのを聞いたような気が………。
それも、
「よかった!このまま声が出なかったらと思うとぞっとします!!」
「ああ、なんてかわいいお子様なのでしょうか。さすが旦那様と奥様のお子さんですね!」
「こんなかわいい子が生まれたテイラー家は安泰ですね!」
「奥様!お疲れ様です!」
「ふふ、私の愛しい子。元気に生まれてきてくれてよかったわ。」
なんて言葉が聞こえたような気がする………。
もしかして私………死んで新しく生まれ変わったの?
それも前世の記憶もちで?
なんて嬉しいご褒美ですか。
ああ、神様ありがとうございます。
今までどうせ神様なんてとか思っててすみませんでした。
ほんとありがとうございます。
そんなこんなで、私は第二の人生を歩み始めるのであった。
紅茉耶は今この瞬間から
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