体育

 はい。今日の1時間目は体育です。みんな体育館に集まっています。


 キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン


 チャイムが鳴りました。しかしまだ村活先生はやって来ません。体育館は寒いです。うーんまだかなあ。まだかなあ。


「寒いなあ。寒いなあ。virusくんも寒くない?寒くないのかな?」


「virus、寒い。virus、とっても寒いです。」


 どうやらvirusくんも寒いようです。そりゃそうだよなあ。


「まだかよ村活。村活よー。」


 チンピラの菊池くんがイラついていますね。


「村活、村活よー!!くっそまだかよー!!」


 ああ、チクチク、チクチクしています。


「くっそー!!待ってらねーよー。俺が呼んできてやるよー!!」


 菊池くんが村活先生を呼びに行こうと廊下に顔を出したその時。


「はい!!体育を始めまーす!!」


 ズギューーーーーン!!


 村活先生がやって来ました。相変わらずすごい速さの側転です。


 ズギューーーーーン!!


 ドガーーーーンッ!!


 あっという間に壁をぶち抜き、遥か彼方へ行ってしまいました。


「virus、村活、わからない。virus、村活、わからない。」


 virusくんはパニックのようになっています。体育館の壁には大きな穴が空いてしまっています。


「ああっ!!菊池ぃっ!!」


 菊池くんは村活先生に切り裂かれ頭から又まで真っ二つになっています。ピクッ....ピクッ...と痙攣しています。しかし間違いなく死んでいます。細胞が死んでいないのでピクピク言っているだけです。頭から股まで真っ二つですもの。


「ああっ保健室の先生を読んでこなきゃー!!」


 タタタタタターッ!!


 たかしくんが走って行きます。しかし、菊池くんはどう見ても死んでいます。


「はい♪はい♪はい♪はい♪」


 保健室の先生がやって来ました!!


「ああっこの子ね!!」


 ブブブブブブーッ!!


 信号は、赤!!赤は死です。


「はい♪はい♪はい♪はい♪」


 診断をすると先生は元気に帰って行きました。


 残ったのは真っ二つになった菊池くんのみ。


「ああ、死んでしまったな。菊池よ。」


「virus、悲しい。virus、悲しい。virus...virus..virus..virus...。」


 virusくんは悲しみました。


 完

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る