第2話

 コケーココココ!!コケーココココ!!


 朝です。朝です。コケーココ!!コケーココ!!


 ガラガラガラー


「おはよう!!おはよう!!」


「あらおはよう。ともこさん。」


「おはよう。おはよう。」


「あっ!!virtsくんだー!!」


「virusくんおはよー!!」


「virus、おはよう。」


 virusくん、優雅な挨拶。素敵です。流石です。


「きゃーーーっ!!」


「きゃーーーっ!!きゃーーっ!!」


 スタスタスタスタ


 virusくん、下駄箱につきました。


 シュタタタタタタターッ!!


 おっとvirus君の前に知らない男たちが三人立ちはだかりました。不良3人組、村田、竹田、菊池です。


「よお。virusっつったか。俺たちはチンピラだ。」


 素敵な自己紹介ですね。


「カツアゲをする。おら、金を出せ。」


「むむっ!!」


 virusくんは眉間にシワを寄せます。今までに見たことがない表情です。


「なんだなんだ。怖いのか?なんてったってチンピラだからなあ。」


「むむっ!!」


 相変わらず眉間にシワを寄せています。


「おら、早く出せ!!早く出せー!!」


「おいおい、兄貴...。」


「なんだよなんだよ。」


「わああああああああ。」


 なんとなんと、virusくんの額の皺が、


『金』


(なんかすごくアホっぽい顔になっているvirus)


「ぎゃあーーーー!!」


「な、なんてこったー!!」


 驚きのあまり、チンピラたちは走って逃げて行きました。


『金』と言う文字を額に保ったまま階段を上がっていくvirusくん(すごくアホっぽいタコみたいな顔になっている。)


 トコトコトコトコ、トコトコトコトコ


 トコトコトコトコ


「やあ、virusくん。おはようございます。」


 担任の山田先生だ。『金』の文字が目に入る。


「んん、なんだねその、『金』て文字は?」


「へっへっへ!!金が全てなんだこの世は。へっへっへ!!」


「おかしいっ!!おかしいっ!!virusくんのようすがおかしい!!大変だー!!」


 ズダダダダダダダダダダダダ!!ズダダダダダダダダダダダダ!!


 先生は保健室へ走って行きます。



「先生!!virusくんが!!virus君が大変です!!」


「なあに、先生?」


 そう、保健室の先生は信号機です。通常の顔があるところに信号機があります。生徒の体調を「赤」「青」「黄色」で判定するのです。



「あの!!virusくんが!!zone君の額に『金』と言う文字があって....そしてなんか、世の中金が全てだって。言っています。」


「なんですってー!!」


 たたたたたたたーっ!!


 保健室の先生はvirusくんいる教室へ走ります。たたたたたたたーっ!!  



「こらー!!廊下を走るなーっ!!」


 こっこの声は!!生活指導の村活先生。村活先生は生活指導の体育の先生。自分の身体能力の高さを見せつけるため、側転をしながらくるくるくるくるとこっちへ向かってきます。満月みたいに見事な側転です。


「せっせんせい!!ここは任せてー!!」


 担任の山田先生が村活先生の相手をするようです。


 ドガーンッ!!


 村活先生は勝手に壁に突っ込み、そして外の道路に突っ込み、マンションに突っ込み、鋭利な刃物のようにあらゆるものを切断して行きます。


「か、勝った。」


 山田先生は信号機先生と教室へ向かいます。


「金が全てだー。金が全てだー。」


 virusくんは変わらず無気力に妄言を吐いています。


「ぴぴーっ!!信号は、赤!!」


 ピコーン


「た、大変だー!!どうすれば治るのですか?どうすれば??」


「うーん。そうね。金よりも恐ろしいものを見せつければ良いのよ。例えば、『暴力』とかね。」


「なっなるほどー!!」


 山田先生は電動ノコギリを動かしました。


 ヴィイィィィィイイイイイン!!


「virus!!見ろ!!この世は金じゃない!!暴力!!暴力なんだー!!」


 ヴィイィィィィイイイイイン!!


 ポンッ


 いつもの顔に戻ったvirusくん。


「virus、了解。この世は暴力。virus..virus...virus....virus......。」


 完

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