体の弱い幼馴染みのまりんちゃんのことを、いつも心配している白馬くん。
怪我をしたら、風邪を引いたら大変だと、常にまりんにベッタリくっついて、彼女を支えています。
だけど過保護に扱われるのは、年頃の女の子にとって恥ずかしいもの。中学校卒業の日、あまりの過保護ぶりに耐えかねたまりんは、白馬くんを冷たく突き放し、幼馴染みをクビにしてしまうのです。
あれ、幼馴染みってクビにできるものだったっけ?
しかし本当に首を傾げるのはここから。高校に進学した白馬くんは、そこで一人の女の子と仲良くなり、彼女から「私と幼馴染みにならない?」と言われるのです。
彼はまりんとの幼馴染みをクビになっています。だから戦力外通告を受けてフリーになった野球選手が別球団と契約するように、その子と新たな幼馴染契約を結んで……ちょっと待て、幼馴染みの定義が分からなくなってきた!
おかしな事をやっているって思いますよね。
けど白馬くんをはじめ、皆ふざけてこんなことをやっているわけではありません。彼らはいたって真面目です。真面目で天然なのです。
このどこかおかしな幼馴染みの関係が巻き起こす、ラブコメディ。
何度も笑わせられる作品です。
幼馴染のまりんを何よりも大事に守ってきた白馬君。しかしそのまりんから、幼馴染みをクビにされてしまいます。
しかし、失意の白馬君の前に現れた一人の少女、千歳。色々あって、白馬君は彼女と幼馴染になる契約を結びます。
……はい。ここまで読んで、どこかおかしいと思った方。安心してください、あなたは正常です。
幼馴染ってクビになるようなものではありませんし、契約でなるようなものでもありませんよね。しかし、そんなおかしなことがおこってしまうのがこの話。
確かに本来幼馴染ってのはそういうものではありません。ですがそれぞれにそう言いたくなるだけの理由がちゃんとあるのです。そして、それを大真面目に受け取ってしまうのが白馬君。彼は、本当に真面目で一途で真っ直ぐなやつなのですよ。それがいきすぎて少々おかしなところも出てきますけど。
ですがそんな彼だからこそ、本物の幼馴染からはクビを言い渡され、新たに出会った子と幼馴染になるという不思議な設定の話の主人公が務まるのです。
そして幼馴染クビ宣言をしたまりんも、幼馴染契約を持ちかけた千歳も、少々変わっていますが、それぞれがとても魅力的。
誰も見たことのない形の幼馴染もの。最後はどんな形に行き着くのでしょう。