第17話 スパイのありがたさ


今回は取材時のお話の続き。

それは、文化祭。


厳密にいうと、広報部の取材では、「部長か副部長が同伴」していないと部員は活動できないらしい。

現実に言うと、無理である。


もう一つ言うと、文化祭のアレコレを、部員が全て取材して回るのは無理である。だって椿会の仕事で二日間のうち半日はつぶれるから。


 こういう時に活躍するのが、非広報部支援部隊である。つまり、保護者情報網スパイによる、非公認の広報部バックアップ部隊である。

 部員たちとあらかじめ入念に打ち合わせをし、この担当、この担当、とか割り振り、文化祭を網羅したのである。


「めざせ、全写真!」


 ジェニーさんの号令の下、部員たちは手分けして文化祭写真を入手し、あれこれ必要なネタを収集してきた。

 足りない分は、個人的交渉で写真を入手したり、こういうことをやっていたよ、記事になるかなぁ?という小ネタをもらったりもした。


「私たちはこの保護者情報網に助けられたよね。ありがたかったよね。良い面も悪い面もあるけれど、私たちは助けられた、感謝感謝」

 とは、ジェニーさんはじめ、広報部全員の弁。


 広報部には、非広報部支援部隊の名もなき部員の活躍に支えられてもいる。



 以上

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