第13話 わけわかめ、冗談はよしこさん


わっけわからねぇ、と思った瞬間


無事、広報誌の発行を迎えたい。私たちが望むのはそれだけである。


そういうわけで、いろいろ各地各所で攻防戦を戦ってきた。それは否定しない。


時には涙をのみ、時にはやけ食いをし、時には自棄飲みをし、ぶつぶつ言いながらもこの3か月の荒波を乗り越えてきた編集部員の仲間たち、ありがとう!

ただ、君たちにも言えぬ言葉があるんだよ。三役だけで堰き止めねばならない言葉があってだな。そのわけわからん言葉の正体の話が今日の話題。



 以前、見積もりの件ですったもんだしたことがあって(第4話参照、時期的には5月くらい)腹に肉ならぬ武器抱えてPTA室に向かったわけだが。


 業者を変更しないという本部決定に従った。発行に関しての金銭的交渉は本部にあるということを踏まえて、広報部三役は涙をのんだ。


 そして発行前になって、正式にこれくらい、という明らかなめどが立ってから改めての業者見積もりというか、おおざっぱな請求はいかほどになるのかという見積もりがいるかと思い、本部にお伺いを立てた。(最終締め切りの2週間前くらい)


 本来なら、それは人の好い会計さんにお尋ねするべきなのだが、彼女は今日はいないし、そこは上役の副会長ダースベーダーしかいない。


 そもそも論でいけば、5月の段階でページ増量分の見積もりは取ってあるのだが、そこから、写真が減って、いろいろな企画が加わって、と金額的な増減があった。エクセルさんが電卓をたたいて加減しているが、それは広報部内は知っているが、会計にも本部にも見せてはいない内容だった。


 そして、(5月の段階で)本部からじゃぁいつ見積もりを取れという話も指示もない。これ、会計さんからも話がなかった。もちろん、副会長の誰でも、会長からも。


 つまりだ。


 5月のあの事件で非公式に広報部が見積もりを出して以降、それが本部決定で却下され、金銭的交渉は本部にあると明言しておきながら、見積もり取ってない本部。

 作業的には、広報部の校了が済んだので、このあと本部のチェックと学校のチェックが入り、印刷となる段階になった。


 だから、いつの段階で見積もりをとるのかと確認してみれば。


「見せてもらったことないから」


「。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。」


 頭の中で句読点丸がガラガラ生産されていく。町内会のくじ引きガラガラ以上だ。パチンコ屋のチャンチャンガラガラ並みの軍艦マーチ並みだ。


 ようけわからんな


 でーれーわからんがな


 ぼっけぇわからんがな


 大事なことなので三回言いました。三段活用です。



 神様、私は都心のど真ん中で岡山弁絶叫しそうになりました。

ここは山手線の内側じゃのに。


 田舎もんだと露呈しても全然かまいませんが、お国言葉は時として、もんげー凶器になることもあるんで一応自粛しています。


 ですが、


あまりにも、どストレートで、どストライクなお国言葉で、どSのダースベーダーさまを攻撃してよろしいでしょうか? 私にM趣味はありませんので。



 ああ、でもここはほかの皆さんも静かに静かに仕事をしている場所ですからちょっと冷静になりましょう。

 深呼吸3回ほどしてから、私はそうですかと言って印刷会社氏に向き直りました。

 印刷会社氏の目が憐れみに満ち満ちておりました。


この衝撃は、並みじゃない波である。


「お世話になりました、今後よろしくお願いします」


 そう言いながら印刷会社氏に頭を下げた。動揺ぶりが分かるとあとでエクセルさんに言われた。


 印刷会社さんが帰ったあと、私は会室の片隅で活動報告書を持参した、わざわざ新しく買ったノートパソコンで編集し始めた。


 だがしかし、そんなものは一字一句、頭に入っていない。



 あれだけぎゃんぎゃん言っておきながら、目次一つに目くじら立てておきながら、見積もり一つ入れてないってどういう神経してるのよ!


 こっち(エクセルさん)は電卓たたきながら計算しながら(自宅でこっそりとだけど)部員の要求に予算的にどこまでこたえられるか、何とか計算しながらやってたのに、何よそれ!


 最初24頁計画を知ったときに山ほどにらみつけて山ほどキーキー言ったのはどこの誰よ? で・て・き・な・さ・い!


 そこまで細かくいっておいて、見積もり出してない、指示もしていないとか、とか、何よ? 本部はぎゃんぎゃん言うだけで把握してないの? 把握する気もないわけ? それともあなただけ特殊な趣味でギャンコラ言っとるんじゃねぇかい? 正直にイエヤコラ!


 本部預かりの予算だから普通は本部が見積もり出させるよね? 本部ノータッチするならじゃぁ広報部の方から何日までに見積もり出させてね、それを本部に回してねって、普通いうでしょ?


それもなしかい。


金銭感覚おかしいよ。


ざるですかい?


そして、そして。


見積もりって一度も見せてもらったことないですから」

と言い放った。(今回、という話じゃなくて毎年、という意味。ベーダーちゃんは本部お勤め3年目だったはず)


どっかーんである。

大事なことなので言います。


24ページ分の見積もりは見せておりません。

22ページ分の見積もりも見せておりません。

 なのにアホみたいにいけしゃぁしゃぁと文句を言いやがりました。


さかのぼること4月

「この見積もりどうしますか?」(見積ひらひらさせながら)

という問いを、

「いらないわよ、例年通りで」(ダースベーダー本人)

とおっしゃったからです。(我々前期の見積もりを見ていない)

 だから確かに我々の見積もりは見ていないけど、あなた、去年の広報部部長だったんじゃないのか? 歴代の見積書とか、請求書に目を通してないんかい!


じゃのに口撃するんか。でーれー信じられん。

お口チャックしとけ。よーち園児並みにようわからん言い分じゃが。

 ほんまに、ぼっけぇわけわからん、冗談はよしこさんじゃ、知らんじゃろ、ザマーミロ。


ぷんぷん。


以上



ココロノナカデ、お国言葉で口撃し返した回となっております。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る