第6話 クオリティ2


第5話の付け足し「企画」


企画って何?個性って何?

クオリティって、何?


広報誌作りが進んでゆく中で、どうしても例年踏襲になりがちだから「今年の個性」と言うのも出したくなってくる。


そして、かのピンボケ写真を、「小さくすりゃ良いんじゃね?ぎりぎり見られる大きいサイズで」ということを思いついた私たち。


写真小さいスペースにすると、例年よりもたくさん文字突っ込めるじゃん!


と言う三段論法で、急遽企画を発動した。


いや、大したことはない。


学年団の目標とか、先生からちょっとしたコメントがあったら良くない?とか、言い合いながら数限定、学年主任に質問三つ限りでアンケートを乗せようと言う話になった。


目標なんてどこのクラスにもあったし(自分の子の経験上ね)学級便りにも年度初めには「こうしよう」なんてコメントがあるからそれで良い、と思っていた。


質問三つ答えるなんてそうそう悩むような答えじゃないし(悩むようなアンケートじゃない。こっちは締め切り前なんだし、むこう(学校)は生徒優先で忙しいからそもそも悩むような質問は投げかけていない。断じて!)

 1、今年の学年団の目標

 2、学年主任の座右の銘

 3、好きな本は?



返ってきた答えが秀逸だった。


「直前(締め切りまでの時間が短い)アンケートで無理なの、どたばたしてるから受けられないわ、このアンケート」


ああ、そうだね。ワタシが悪うございました。写真小さくしたいって言う思い付きの企画ですからね。それくらいピンボケなのよ、察してよピンボケ。


それ以上に驚いたのは。

「学年目標なんて存在しないから、質問には答えられないわ」


って、回答。


Why is it, teachers ?


正直に言えば、パロッてしまった。


ホワーイ 椿‘s ティーチャーズ!


いやこれ語順おかしい? 合ってる?


いやそうじゃなくて。


頭の中はコンフュージョン。


「学年目標なんて存在しない学校がここにあった!」


「自分の子供が通う学校だぜ!ロック過ぎるじゃん!」


「そして3年間、全く気が付かなかった!」(私とジェニー部長)


「え?いつからなくなったの?」(元OGのエクセル副部長)



 私は、返答が書かれた紙に目を通して3秒固まった後、骨を折ってくれた事務さんに申し訳ないです、ありがとうございます、と頭を下げた。


恐らく、この急な企画で一番迷惑をこうむったのは事務さんだから。


企画も個性もピンボケには敵わない事を知った、4月であった。


ピンボケ最強伝説がココに出来上がったのである。

同時に、学年目標というものがない学年だったことに3年経過して気が付いた我々だった。


どっちもどっちなピンボケですな。


以上 どっちもどっちのクオリティですな、ってお話でした。

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