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「綺麗な髪ですね」


「ちょっと。いきなり何言うのよ」


「ずっと言いたかったんですよ。髪が綺麗だなって」


「なんかやだ」


「ごめんなさい。つい」


「そっか。もう、そんな年齢か。成長したなあ」


「なんですか。あなただって若いじゃないですか」


「そうねえ。いい人生だったわ」


「何言ってんですか。この世の終わりでもあるまいし」


「この場所で。夕陽を眺めて。あなたと話して。うん。いい人生だったわよ」


「どうしました?」


「なにがよ」


「様子がおかしい。そういえば昔、友達を捨ててきたって」


「いいのよわたしのことは。あんたはあんたの人生があるんだから」

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