第18話 嫌われた翌日



翌日の朝、僕はいつも通り電車に乗って学校に向かった。途中でゆめみん先輩が同じ電車に乗って来たが昨日の嫌い。という言葉が脳内でリピート再生されてしまい、僕は気づいていないふりをしてしまった。


ゆめみん先輩から話しかけてくる雰囲気はなく距離を置いたまま学校の最寄駅に到着する。ゆめみん先輩が電車から降りた後、僕は電車から降りた。


「あ、ゆめみんおはよう。あれ、りょうちゃんもいるじゃんおはよう」


駅のホームを歩いていると同じ電車に乗っていたいーくん先輩に声をかけられた。僕はゆめみん先輩といーくん先輩に軽く挨拶をして逃げるようにその場を立ち去った。


そんな僕を見てゆめみん先輩といーくん先輩は不思議そうな顔をしていたが僕を追いかけて来る様子はなかった。


その日の授業はあっという間に終わり僕はホールに向かった。練習がある日なので練習時間前だが人が結構集まっている。


僕は挨拶をしながら机の上にカバンなどを置いて歯を磨きにトイレに向かった。金管楽器や木管楽器は口をリードやマウスピースに当てて使用するので楽器を吹く前は歯を磨いた方がいいとゆめみん先輩に言われたからだ。


歯を磨き終えた僕は楽器を取りに行くために通路を歩く。僕が控え室の前を通った時、控え室で話し合いが行われているのが見えた。団長のあーちゃん先輩、指揮の及川さん、フルートパートの咲先輩、綾先輩、だいちくん、りかちゃんそして、さほちゃんの七人が真剣な表情で話し合っていたのだった。理由は察しがつく。さほちゃんだろう。


「あ、りょうちゃん早いね。ちょっと今、練習見てあげられないけどもうすぐゆめみんが来ると思うからゆめみんと一緒に練習しててもらえるかな?」


控え室の前を通った僕に及川さんが声をかける。僕は及川さんにわかりました。と返事をして楽器を取りに向かう。






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