2月7日



 あまりにも疲れていたので、一日中寝て過ごした。それでも、溜まりに溜まった疲労が癒されることはない。やらなきゃいけないことやったほうがいいことなどが絶えず頭を駆け巡りストレスになり、かといって疲れているのは本当なのでそれを解消するため動くこともできず、無為にぼーっとしてしまう。そしてまた最初に戻る。その繰り返しだ。コー・ギーが来たあとも、この思考や過ごし方は変わらない。あらゆるものがあのちくわみたいな獣に蹂躙され変質させられた中で不変のものがあるというのはいいことなのかもしれないが、こんなものは別に欲しくない。今すぐ捨てたい。本当は英語やらWebマーケティングやら、あとは普通にこの週末でしか書けない物語を残すとか本を読むとか、そういうことをして「成長」していくのがよいのだろう。周りが停滞している中で、努力をして前に進む。そうすればきっと、なにか劇的なことが起きてコー・ギーが消え去るなんてことが起きたとき、他の人と差をつけて優位に立つことができる。わかってはいるけど、俺にはどだい無理な話だった。むしろ「もう生きてても暗いこと辛いことばかりだし、いっそ完全に世界が滅んだほうがいいのでは……?」とすら思っている。そうだ、みんな死ねばいい。そうすればこの苦しみから解放される。ただでさえ辛いのに、その先に待ち受けるさらなる辛さを感じずに済む。もう、悩まなくていいのだ。あほらしい。枕元でうずくまるおにくくんをひとなでし、掛け布団をかぶる。そのまま、引き続き無為な一日を過ごした。疲れは取れない。コー・ギーがどこかで遠吠えをしているのだけが耳に届く。






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