第11話 説明と副作用
街に戻った俺たちは、喫茶店に入り、スキルが使えることをミーナに説明をした。
親のこと、スキルのことを。
ミーナはただただ驚いて何かを納得していた。
「それにしてもユーダイとミオネがあの人たちの息子と娘だって言われて納得しちゃったわね」
「母さんたちの二つ名って大層立派だもんな。俺もミオネも二つ名を付けられるように頑張るつもりではある。だからミーナも二つ名手に入れようぜ」
そう言うとミーナは、呆れた顔をして言った。
「あんたたちならすぐにつくでしょ?私はいいのよ。才能ないし」
「あれ?ミーナちゃん、ミーナちゃんももう私たち側の人間だよ?」
ケーキを美味しそうに食べていたミオネがミーナに告げた。
「どう言うこと?」
ミーナは、怪訝そうな顔で俺を睨み付ける。
仕方ないのでちゃんと説明することにした。
「まず、俺のスキルでミーナに属性を付与した。そして、魔力循環でその属性と魔力回路を慣らした。実質、ミーナは全属性持ちで俺が作った新しい属性も使えるようになった」
「それって結局、あんたのせいで私も人外になったってこと?」
「その解釈でいいよ」
そう返答をするとミーナは、ため息を吐き出した。
「もう、色々あり過ぎて疲れたわ。今日はもう帰るわね。明日、またギルドで合流しましょ」
「ミーナちゃん、ゆっくり休んでね!バイバイ!」
ミオネが一生懸命ミーナに手を振る。
それを見たミーナは、一瞬、驚いた顔をして笑って手を振り返した。
「バイバイ」
こうして、初の冒険者ギルドで俺たちは新しい仲間が出来た。
「ユーダイ、ミオネ」
「ん?あぁ〜母さんたち。用事は終わったんだ」
母さんたちは俺たちを迎えに来た。
そして、宿へと向かった。その途中、ミオネは友達が出来たことが嬉しかったのか母さんたちに話し始めた。
「ねぇねぇ!お母さん聞いて!今日ね、新しい友達が出来たんだよ!ミーナちゃんって言うの!」
「あらあら、ミオネ良かったわね。その子も一緒に冒険するのかしら?」
「そうだよ!ミーナちゃんが弓を使うから後衛で私とユーダイ君で前衛するんだ!」
俺は、話すのに一生懸命になってるミオネを微笑ましく見つめていたら
「ユーダイ、あんた、スキル使ったでしょ?」
いきなり母さんから言われた。
ギョッとして言い訳をしようと慌てるともう使いましたと言っているようなもんだから白状した。
「うん、使った。ただ、これはミオネと話し合ってから使ったんだ。俺の独断じゃない」
俺は、立ち止まり母さんの目を見てしっかりと伝えた。
母さんも向き合ってしっかりと目を見てくる。
少し時間が経って母さんは息を吐いた。
「女の子の初めては特別なんだ。しっかりミオネを思いやってやりな」
「もちろん!前世の記憶もあるわけだし、手順とかそう言うのは問題ないよ」
母さんは、もう一度息を吐いてからミオネたちを追いかけるために歩き出した。
「ハイネとジンには私から言っといてやる」
俺は、母さんの後押しでミオネとの初めてに少し気恥ずかしく思った。
それに、【異界伝承】の副作用がどんなものか分からないことも少し不安に感じた。
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