侵蝕 3

 「この戦争の判断はウルズ様・・・そのしもべである高官様方による。私たちにできるのは、あくまで口添えだけだ。彼らが間違った声を聞いたとは思えないが・・・そもそも、神とは・・・何なのだ。我々はその守護者として・・・果たして「それ」は守るに値すべき者なのか・・・?」


 天翼族の矜持は、ヘイムダルの言葉によって揺り動かされる。一度生まれた不信感は、この場にいる者たちの思考の中に静かに根を下ろし、着実に蝕んでいくのだった。

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