侵蝕 1
炎龍ムスプルと対峙していた戦線が、大穴という突然の天変地異によって完全に崩壊した。両者区別なく「世界そのものである神の手によって消えた」という衝撃は、天翼族たちが完全に勝利に酔いしれることを妨げてもいた。
その中でも特に、ヘイムダルを始めとする観測兵は、厳しい顔で大穴の方面を睨み続けていた。
「炎龍ムスプルが滅びたのは正しいことだろうが・・・。それにしても、これまでの戦いでの、こちらの消耗が激しい。この先しばらくの派兵は、行き先や方法を考えなければならないでしょう。」
傷ついた両眼をようやく治療し終えたヘイムダルは、得意の未来幻視の魔法を試してみるが、やはり見える光景は靄ばかりで、はっきりと天翼族の未来が見えることは無かった。
その魔法の一番の使い手である彼すら、その状態であるため、他の観測兵たちも同様に未来幻視の魔法を使うことが出来ないのは当然だった。
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