魔法の仕組み 2

 「そもそも魔法というものがよく分からなくなるよ。魔法とは、「普遍的にある魔力量を調節する方法のこと」だというけれど、「普遍的にある魔力」って何だ?天翼族で言うところの創世神の分け身、龍族の言うところでは自分たちの鱗をはじめ、形作るそのもの。きっと他の種族ではまた違う捉え方をされているだろう。そんなあやふやな物が、世界の根幹にあって、僕らはその上に生きているなんて・・・。」


 「『創世神の守護者』を標榜する。・・・我々はなんと傲慢なことか。」

 トールのその言葉に、ロキは驚いて目を丸くした。

 「そう驚くな。いつもお前が心で思っていることだろう。それに、既にスルト殿にも言われたことだ。」

 「いや・・・そうだけれど。改める、なんて言ってくれる訳じゃないよね。だって、天翼族は「そうある」べきだ。そうして生きて、多数の犠牲を払ってきた。」


 「そうだ。「諦め切れる段階を、私たちはとうの昔に過ぎてしまった。払った犠牲が大きすぎる。」・・・スルト殿に私が語った通りだ。」

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