翼たちの中で 4
ロキは、意識を失う前後に見た過去の光景と、同時に谷底に永遠の氷の中にあると思っていた氷龍の領域が荒れ果て誰も居なくなっていたことを話した。トールもまた、父オーディンの背中越しに見つめていた、氷龍の子を介した交渉の場を思い出していた。
「戦士長の子、そしてその役を継ぐ者として父オーディンの側に控えていたが・・・。言い訳がましいかもしれんが、その頃の自分が無知蒙昧すぎてな。恥ずかしい話だが、ただ父上が得体の知れない者と話をして、そして守るべき弟が出来た・・・くらいしか覚えていない。その後、今になって見た天翼族の公な記録にも、氷龍長ラーフェイの真意は書かれていなかった。」
「そうだろうね。僕だって覚えていない。頭を強く打ったお陰で初めて知ったよ。・・・「氷の中」に記録されていたんだ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます