世界の主 3

ヘズの身体から、一筋の光が伸びていく。天翼族が使う文字の形へと変化したかと思うと、その形はすぐに解れていく。そしてその一端は、スルトの体を覆う龍鱗を撫でていく。

神の言う『世界の記録』が、僅かな閃光を放ちながら新たな紋様として刻まれていく度に、スルトは歯を食いしばる。灼熱には物ともしない筈の炎龍が、その焼印に苦痛を感じていた。


「スルト様!・・・ああ、なんてこと!お願い、魔法の筆よ。記録をやめて!」

「無駄だ、ヘズ。我らが終わるまで止まることは無いだろう。・・・なんとも哀れだな。」

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