橋の上で 2

 「お前がそう証言してくれれば、だがな。待遇は悪い上に、そのせっかくの家まで破壊されてしまって・・・。」

 「気にしてないよ。大したものは持っていなかったし、大事な物は氷に包んでいたから。・・・ああ、そうだ、ヘズのことだけれど。」

 虹の橋の中腹まで歩き、トール以外の声は全く聞こえなくなったことを確かめてから、ロキが続ける。


 「ヘズは会談の影響か、天翼族の在り方に疑問を抱いたとして、処分されかけていた。それで・・・僕のところまで逃げて来たんだ。」

 「盲目の彼女が?街からロキの小屋まで、決して平坦な道では無いのにどうやって。」

 「魔法の筆だよ。あれは、本当に全ての事柄を記録しているらしい。」

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