第65話 会えない

 事件はうまく揉み消されることになったものの、自分が宮火に大けがをさせたという事実はどうにもならないわけで、学校に戻ったところで、キレたら手のつけられない異常者として、みんなから白い目で見られることはわかりきっているし、そもそも、佳奈ちゃんと先輩に会えないのなら、学校なんて行く意味はないと思ってしまっていた。


 それから間もなく、父と母の、学校に対する不信感もあって、今の学校は辞めて、家の近くの市立中学に転校することになった。


 事情を知った佳奈ちゃんと先輩は、私が転校することに猛反対してくれて、何度も家までたずねてきてくれたけど、あまりにも申し訳なくて、顔も見せないで部屋に引きこもったまま、応対はすべて母に任せてしまっていた。

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