第63話 おかえりなさい

 その日の夜、帰宅した父は明らかに不機嫌だった。

 ただいまの一言もなしに、いきなり、


「綾。あんな学校もう行かなくていい。最低だ、あんなのは。ふざけやがって……。バカどもが」


 そう吐き捨てて寝室へと入っていく。

 驚きのあまり、父を呼び止めることもできずにただ立ち尽くすしかなかった。

 やや遅れて玄関扉をくぐった母に、学校で何があったのかと事情を聞いてみる。

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