第62話 待つ

 翌日の夕方、学校からの呼び出しを受けて、父と母が出向くことになった。

 本当なら、話し合いの場には自分も同席しなければいけないのだろうけど、嫌なら家にいなさい、と言ってくれた父の言葉に甘えて待っていることにした。


 体調不良だとか、あれこれ話を聞かれるのが嫌だとか、そんなことはなかったのだけど、気がかりだったのは、学校に行ったら、いつ佳奈ちゃんと先輩に鉢合わせてしまうかもしれないということで、合わせる顔がないというのももちろんあるのだけど、それだけではなくて、仮に、佳奈ちゃんか先輩に姿を見られてしまったら、きっと二人は喜んで駆け寄ってきてくれるに違いない、そうなったときのことを考えると、とても出かけようとは思えなかった。


 二人が声をかけてきてくれるのはすごく嬉しいことなのだけど、でも、そんなところをほかの誰かに見られてしまったら最悪だ。

 二人とも、まだ犯罪者の友達なんだと思われかねない。

 それでなくても、同じ写真部だということで、すでに肩身が狭い思いをしているかもしれないのに。

 そんなことを考え出すと、何だろうと、これ以上二人の迷惑になるようなことはしたくなかった。

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