第53話 掃除

 幸いけが人はいなかったものの、しばらく気分を落ち着けたほうがいいだろう、ということで、宮火とケンカになった子が保健室に連れて行かれることになり、ほどなくして四限目終了のチャイムが鳴り出したことで、授業は再開されないまま終わりということになった。


 たまたま運の悪いことに、日直だからという理由で実験室に残されて、理科の先生と宮火の班の子たちと一緒に、宮火が割って壊したビーカーと試験官の掃除を手伝わされるはめになった。


 作業中、先生は、なぜ宮火は騒ぎ出したのかとか、宮火は普段からもキレやすいのかと、宮火の友達たちに質問を繰り返して事情を聞いていた。


 その話の中で宮火の友達の一人が、宮火が前々から両親と不仲であること、また、夏休み中に両親が離婚することになって、それを境に急激に母親との仲が悪化したことで、それが大きなストレスになっているのかもとそんな話をしていた。


 どうでもいいよ。

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