第31話 詰問
廊下で日崎と向かい合う。
「何だよ。いきなり」
「あんたさ。ちょこちょこ豊橋と電話してたんだよね?」
「豊橋先生、な」
「明野浜にいるっていつしゃべったの?」
「どうでもいいだろ、そんなの。食ってからにしてくれよ。せっかくのごちそうなのに」
「すぐ済むから。答えて」
ぐっと顔を寄せてきた日崎にちょっとたじろぐ。
「えーっと……、海について、お前と別れ別れになって、そんで……、あっ、そうだ。自撮りしようと思ったら電話がかかってきたんだよ、先生から。そんとき言った」
「つながった」
「えっ? 何?」
「豊橋は、私たちが明野浜にいるってわかってすぐ、もうそのときには、私たちがここに来るように仕組んでたってこと」
「んあっ? えっ? 何の話だよ」
「もういい。戻るよ」
「待てよ。マジで何もわかんねぇんだけど」
「今の話、全部忘れて。あんたには関係ないから」
あっ、そう。
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