第25話 海水浴

 コインロッカーに何もかも突っ込んで、パンツ一枚で仁王立ちして海を眺める。

 さぁ、試合開始だ。

 灼熱の砂浜をひぃひぃ言いながら駆け抜けて海に飛び込む。

 うっひょーっ。つめてー。気持ちいいー。


 だんだんと体が慣れてきたところで、改めて黄色のブイを眺める。

 ちょっと遠すぎるんではなかろうか……。

 ブイまでは泳げても、バテて帰ってこられないかもしれない……。


 意気込んだけど、もうちょっと気楽に行こう。勝負じゃないんだから。

 三十秒前にみなぎらせた気合いはきれいさっぱり体から抜いて、のんびりクロールで泳ぎ始める。

 あーっ、楽しいーっ。

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